豊橋周辺風物誌


2022年08月05日     百日紅の街路樹  
いつもの「大池」ではない散歩コースです。部分的に暗渠になっていない牟呂用水にかかる「談合橋」を起点に国道1号線を越えて豊橋公園まで、北を目指して一直線に歩いてみました。  
   
  談合橋から北に向かって50mほど進み、振り返ってみるとこのような感じでした。少し見ごろを過ぎていますね。赤の百日紅まだ元気です。   東三河総合庁舎西のはずれ、正面に豊橋公園が見えています。左画像の談合橋から北に510mほどです。百日紅の街路樹の直線道路もこの辺りが終点です。
  このまま突き当たって,少し左に歩いた豊橋公園内には、山田宋徧の石碑があります。

   2019年09月07日        最貧前線 『宮崎駿の雑想ノート』より

 穂の国とよはし芸術劇場のメイン・ホールで上演されていた宮崎 駿 原作・ 井上 桂 脚本・一色隆司演出の『最貧前線』を観てきました。

 
 主演の内野聖陽の演技を観るのは、同じくこのホールで上演された『ハムレット』以来ですから、ほぼ2年ぶりになります。出演者は男性ばかり11名。演劇関係に疎い私には内野以外の出演者でなんとか見覚えのあったのは風間俊介とベンガルくらいでした。

 
 
 
開演と同時にまず驚いたのは、昨年5月に観た劇団ナイロン100℃による『百年の秘密』時もそうでしたが、その舞台装置と映像(『百年の秘密』ではプロジェクションマッピングが効果的に使われていました)の組み合わせです。

 今回は内部が観客席から見通せる漁船の船首部分(2層)と中央から船尾部分(3層)とが、ストーリーの展開に応じて、素早く巧みに分離結合するのにも驚かされましたし、場面転換後の冒頭数分間のシーンでは、舞台前面に降ろされた半透明のスクリーンに投影されたアニメーションの漁船とその奥の舞台装置が観客席から観て、ほぼぴたりとマッチしていたことにも感動しましたました。

 つまり、舞台上の役者の動きが、スクリーン上のアニメの漁船を透かして、まるでレントゲン写真のように見えるという工夫です。

下は最初から最後まで登場していた漁船の艦橋・操舵室・機関室と無線室です。リハーサルスタジオ内のこれだけを見るとこれが漁船だとは想像できません。かなり想像力に自信があっても。

 
 
 
船首部分と中央から船尾部分はこのように5~6名の「黒子」によって、役者を乗せたまま、きわめてスムーズに結合・分離・方向転換します。
 
 
 物語は1944~45年に海軍に徴用され、危険な索敵任務にかり出された漁船の乗組員と海軍軍人それぞれの生き方を対照的に描いたものでした。

 最後は漁師と軍人が、それぞれの立場(生き方)を越えたひとりの「人間」として、誰も死ぬことなく、生き抜く方向を見いだすというハッピーエンドでしたので、見終わった後も重苦しさをそれほど感じなくてすみました。


 
ただ、後になってからわかる「無謀な戦争に突き進んだこと」の「反省」が生かされていない現在の風潮(憲法9条問題)が気になりました。
 それと同時に、私が大学生になったばかりの頃に見た岡本喜八監督の『肉弾』(1968)のラストシーンで、1本の魚雷にくくりつけられたドラム缶の中に座って房総沖を漂い、むなしく敵を待つ主人公(寺田 農)の姿が蘇ってきました。

下は今回の漁船「吉祥丸」の全景。

 


   2019年01月17日      豊橋駅コンコースに赤鬼参上

 今年もまた、豊橋駅コンコースのJR在来線・名鉄線改札出口に、「鬼祭り」(国指定重要無形民俗文化財 安久美神社例祭)に登場する「赤鬼」が展示されました。

 
 例年同様 2月10日(日) 宵祭と11日(祝) 本祭の両日開催です。詳しくは、https://onimatsuri.jimdo.com 参照。
 赤鬼の背後には市内の豊城中学の生徒さん手作りのお面も展示されていました。


 

 説明文を読むと、この張り子のお面は豊橋の伝統玩具だったようです。
 
 

 昨年の夏に病んだ身としては、是非とも今年は「タンキリ飴」の粉を浴びに行こう。この鬼祭りが終わると、豊橋の冬は終わり、春が到来します。
 


   2019年01月16日      大池の大鷭

 久し振りに大池周辺を歩いてみました。

 池の中央に架かる橋を渡ろうとすると黒い水鳥が目に入りました。 欄干にもたれてよく見ると、身体は真っ黒なのに、黄色い嘴の付け根から顔の真ん中あたりまで、筆で線を引いたように真っ白。

 
 そのまま眺めているとこちらの方に近寄ってきます。
 誰かが定期的に餌をあげているのでしょうか。橋にはこんな注意書きもあるのですが。


 

 家に戻って調べてみると、どうやらこの鳥はオオバン(大鷭)のようです。

 なんと、日本のいたる所に生息しているということですが、初めて見ました。

 


   2018年11月18日         「新町の大燈籠」と「東惣門跡」

 今日は思いのほか仕事が捗ったので、久し振りに国道方面に散歩に繰り出しました。
 東八町の交差点は、南東方向に向かう国道1号線が、県道4号線(本坂通り)と分岐するところ。

ここには市電の停留所があります。その停留所のすぐ北側には1805(文化二)年建立と伝えられる高さ5mの「常夜灯」と、南側には東海道から吉田城下への東の入り口にあたる「東惣門跡」が再建展示されています。



 この「常夜灯」はかつて「新町の大燈籠」と呼ばれていたということです。建立された後、1891(明治24)年の濃尾大地震で最初の倒壊、その後、1945(昭和20)年には1月の三河地震で2度目の倒壊、続けて同年6月には、B29爆撃機136機による豊橋空襲で焼かれるという度重なる「難」に遭っているそうです。

 長く豊橋公園の片隅に放置されていたものの、1980(昭和55)年にようやく本来の場所に戻ることができたとのこと。

 
 
 江戸時代の「東惣門」には番所がおかれ、 西の惣門とともに午前6時から午後10時までの間以外、人びとの通行は禁じられていたのだそうです。
                                    (資料:豊橋教育委員会編『豊橋の史跡と文化財』第三版 1998)



   2018年07月25日          打ち上げ花火

 猛暑を超えて酷暑の域に入ろうかというここ数日です。
 地球規模の環境の大きな変化、しかもそれが人間の生活にとって深刻な事態に進みつつあるのを感ぜずにはいられません。

 もう旧聞に属しますが、21日には豊橋祇園祭のメインイベント「打ち上げ花火」がありました。


 午後に講師をつとめた市民文化会館での講演会を終えて東京に帰る友人 N氏 を豊橋駅に送る道すがら、横断歩道橋などの高みで見物する人たちを見かけました。

 でも、日が沈んでからもまったく熱気の去らないこの酷暑では、とうてい「納涼」花火大会とは言えそうもありませんでした。

 
 
  打ち上げ花火の大きな音は、午後9時まで熱い空気を震わせ続けていました。打ち上げ花火の大きな音は、午後9時まで熱い空気を震わせ続けていました。




 2018年07月20日         祇園の大筒

 10数年ぶりにドイツ(ケルン)から逢いに来てくれる友人(H氏)を迎えに豊橋駅に行きました。
 すると、新幹線改札口に向かう途中のコンコースに、豊橋祇園祭の初日(20日)に吉田神社境内で披露される大筒の模型が展示されていました。
 この大筒と同時に、手筒も奉納されます。

 三河花火発祥の地だけあって、大筒の火柱は勇壮に夜空を染めます。

 

 21日の打ち上げ花火、1万2千発も楽しみです。


   2018年07月16日            松竹大歌舞伎 
  この歳になってお恥ずかしい話ですが、生の歌舞伎を「初めて」観賞してきました。 

  最初の演目は中村梅枝の「近江のお兼」でした。これは喧嘩の強い(!?)活発な、それでいてかわいらしい女性を題材に取り上げた、よく知られた歌舞伎舞踊なのだそうです。まったく予備知識なしに舞台を眺めていましたから、見終わったあとで解説を読んで、なるほど・・・と事情がわかった次第。

 近江は昔からお米の産地で、それを背景に力自慢の人びと(=力士)も多く生み出したところです。狂言の題材にも、大名(安土桃山時代の)が腕っ節の強い若者をこの地方からリクルートしにやってくる、といった場面が使われたりしているのを思い出しました。女性も強かったんですね。

 「近江のお兼」には「晒女」の別名もあるようで、お兼は二本の長い布晒を巧みに操って見せましたが、これは私には新体操のリボン(昔は確か「帯状布」と呼んでいたような気が・・・)の演技のように見えました。

 そういえば、お兼に絡む二人の漁師も敏捷な動きを見せていました。二人で揃って「とんぼ」を切ったり、ロンダード?やバク転もどき?をきめて見せたり、ちょっとしたストリートパフォーマーの演技のようでした。

 尾上菊之助や板東彦三郎たちの語る台詞の内容はなんとか理解できましたが、バックで歌われている長唄(常磐津)?の歌詞については全く分からず、その意味でも400年の伝統芸能の歴史の重み(?)を感じました。




2018年05月11日          ひさしぶりの観劇 

   ほぼ1年ぶりに、観劇に出かけました。   場所は前回の『ハムレット』と同じ、穂の国とよはし芸術劇場です。今回の小劇場公演は劇団ナイロン100℃による『百年の秘密』でした。 

 
 
  小劇場で活動する劇団についてほとんど予備知識がなく、ナイロン100℃なる劇団も今回初めて知りました。ケラリーノ・サンドロヴィッチ作ならびに演出の『百年の秘密』は今回が再演というのですが、6年前の初演についてもまったく知りませんでした。当然のことながら、主演(?)の犬山イヌコさんも峰村リエさんについても一度もお目にかかったことはありませんでした。 

 

 それでも出演者の中で、大倉孝二さんや萩原聖人さん、山西惇さんなどはTVでときおり見かける「知った顔」でした。
 そんな劇団音痴な私も、劇の展開につれて舞台に引きつけられていきました。プロジェクションマッピング(というのでしょうか)が効果的に使われていたり、舞台中央にそそり立つ巨大な樹の前で、室内と庭が交互に移り替わる演出の巧みさにも感心しました。
 主人公たちの人生が織りなす80年近くの人間模様は、台詞のところどころに挟み込まれた「くすぐり」に笑わされながら、全体として共感をよぶものでしたので、初めて観るナイロン100℃の公演でしたが、とても良い時間を過ごせました。
 

 2018年04月09日         小畷公園の藤
  桜もすでに散り果ててしまいましたので、久し振りに小畷公園(ジャンボ公園)の藤の様子を見に行ってきました。  桜もすでに散り果ててしまいましたので、久し振りに小畷公園(ジャンボ公園)の藤の様子を見に行ってきました。 
 
   予想通り未だ早すぎて、見頃になるまでにはもうしばらく待たねばならないようです。 
 
   昨年、ここの満開の藤を報告したのは5月7日でしたから当然ですね。しかし、意外にも公園西側の豊橋信用金庫前のサツキは目の覚めるような赤で、なかなか見応えがありました。
 
 
   庭の小花壇のビオラとスイート・アリッサムは未だに元気です。 
 
 隣家との間のフェンスにぶら下げた鉢のブルーのビオラは植え方が悪く、根が露出していたので黄色に植え替えてみました。度重なる植え替えがいけなかったのか、根が露出していたせいなのかブルーのビオラはダウンしています。 
 
  少し前のことになりますが、3月29日に大阪学院大学で開かれた第124回ISC・21月例会に参加しました。今年1月から始まった、ジャン=ノエル・ミサ、パスカル・ヌーヴェル著/橋本一径訳『ドーピングの哲学』新曜社 2017/12 の詳読会の三回目でした。私も少し発言しました。その折りに配布したハンドアウトをホームページに掲載しています。http://www.tees.ne.jp/~sieg922/contents/Recentreport.html#180329
   4月14日には訳者の橋本さんと、そのお師匠さんにあたる 哲学者のN.O. さんを青山学院大学総研ビル会議室にお招きしてシンポジウムを開催する予定です。これについてはまた報告したいと思います。



2018年03月29日          今年の桜 
   開花宣言のあった桜のようすを見てきました。
まずは向山の大池から。遊歩道の南西の入り口には「ビオラ」がきれいに咲いていました。 
 
    大池の岸辺の桜「その1」です。
 
    岸辺の桜「その2」です。
 
   こちらは向山緑地の桜「その1」です。さまざまな露天屋台も並んでいました。 
 
   向山緑地の桜「その2」です。こちらはもうすでに「散りそめ」です。 
 
   日差しも強く、汗ばむほどでした。 

2016年07月16日

 豊橋市の夏の風物詩「祇園祭の打揚花火」がありました。

 豊川にかかる吉田大橋(国道1号線)あたりの河川敷から12,000発の花火が打ち上げられました。

 打ち上げ会場から2kmほど離れた自宅から2時間あまりの花火の饗宴を堪能しました。