インド料理とは?

インド料理といえば、真っ先に名前を挙げられるのが「カレー」ですが、玉ねぎ・ジャガイモ・ニンジン・お肉がごろごろと入った日本のカレーライスとは随分違います。
本場のインド料理について、ご紹介します。

インド料理の特徴

多種多様の香辛料をふんだんに使うことが最も大きな特徴です。逆に言えば、インド料理にスパイスは欠かせず、それを使わなければインド料理ではないとも言われます。
インド料理といっても、地方、民族、宗教、社会習慣によって千差万別ですが、大別すると、北インド料理と南インド料理に分けられます。

北インド料理と南インド料理

北インド料理は、ムガル帝国(16世紀~19世紀のインド史上最大のイスラム王朝)の宮廷料理の流れを汲む、カシューナッツやクリームを使った濃厚で上品な味わいのものが多く、ナンなどのパンを主食とします。タンドールを用いた調理法もその特徴の一つです。
南インド料理は、北インド料理に比べて比較的あっさりしており、さらりとしたスープが特徴です。また、料理にはヨーグルトやココナッツミルクが多く使われ、米を主食とします。
チャハナのメニューは、北インド地方の料理です。

香辛料

香辛料はそれぞれ、香りづけ、色づけ、味つけといった目的によって使い分けられ、その種類や量の組み合わせによって、風味、香り、辛み、色など、料理に違いが表れます。
インド料理の基本的な香辛料を例に挙げると、香りづけに使うのは「クミン」、「ガラムマサラ(数種類の混合スパイス)」、「コリアンダー」などで、辛味をつけるのが「レッドペッパー」、黄色い色をつけるのは「ターメリック」、という具合です。
また、香辛料は漢方薬の原料でもあり、それぞれに効用があります。
例えば、「クミン(=馬芹)」「コリアンダー(=パクチー)」「シナモン(=桂皮)」は消化促進、「レッドペッパー(=赤唐辛子)」は発汗作用・脂肪代謝、「ターメリック(=ウコン)」は消化促進・殺菌作用・肝機能障害予防にもなり、「クローブ(=丁子)」は消化促進と嘔吐・胃痛・腹痛に効き、「ナツメグ(=肉豆蒄)」は下痢止めの薬になります。食後の消化剤になる「フェンネル(=ウイキョウ)」は、チャハナのレジ横に置いてありますので、お帰りの際にはぜひお試し下さい。

カレー

インド料理には「カレー」という料理はなく、インド固有の言語にも「カレー」という言葉はありません。
「カレー」の語源には諸説あるようですが、タミル語で野菜、肉、食事、スープなどを意味する「カリ」という言葉があり、それが英語で「curry」と表記されるようになったとも言われています。
現在では「カレー」という言葉が世界中で定着しているため、インド国内外の多くのインド料理店では便宜上、メニューに「○○カレー」と表記しています。
またインドには、「カレー粉」や「カレールウ」は存在しません。イギリスでは18世紀にインドの「カレー」が知られるようになり人気が出ましたが、数十種類もの香辛料を使いこなす必要なく家庭で簡単に使える「カレー味」の調味料として、複数のスパイスをブレンドした「カレー粉」が開発されたのです。
インドでは、食材や料理にあわせて香辛料をブレンドして使用します。ブレンドの割合は家庭や店によって様々で、その違いが「おふくろの味」「店独自の味」になるのです。

タンドール料理

北インド・パンジャーブ地方の料理でしたが、今ではインド料理の代表のようにも言われる、タンドールを使った料理です。
タンドールとは、北インドからアフガニスタンにかけての地域で使われる壺型の土の窯で、窯の底で炭火を燃やして加熱します。窯の中は480℃近い高温になるので、短い時間で材料を焼き上げることができます。
肉類は金属製の串に刺して窯に入れ、ナンは平たく伸ばした生地を窯の内側に貼り付けて焼きます。
チャハナでは、タンドールを使って焼く調理の様子をガラス越しに見て頂けます。

ベジタリアン

インドには、肉を食べない菜食主義者(ベジタリアン)が多く存在します。
ヒンドゥー教徒は牛肉を食べず、イスラム教徒は豚肉を食べませんが、宗派によって、肉食全般を禁じているもの、卵や乳製品は食べてもよいもの、野菜でも玉ねぎやにんにくは食べないもの、などがあり、それぞれの規律を守っています。

食べ方

インドの人々は指を使って食事をします。
現在では近代化に伴いスプーンを使って食べることも増えていますが、スプーンやフォークよりも、自分の身体の一部である手の方が清浄なものだと考えられているからです。
食べ方は、右手の親指・人差し指・中指の第二関節あたりまでを使って、ナンをちぎってカレーにつけて食べたり、ご飯とカレーを混ぜて口へ運んだりします。この時、不浄なものとされる左手は使いません。
また、「他の人が口をつけたものを自分の口に運ぶこと」は、インドで最もタブーとされる食事作法です。
チャハナでは、インドのマナーにこだわらず、スプーンやフォークでゆっくりお食事をお楽しみ下さい。