Field Note 2007(part 1) *下へ行くほど最新です

 




"Lakeside" of near future 

 釣りがしたければ、たとえ12月だろうと1月だろうとやれる場所はある

 車を1〜2時間も走らせれば、抜群のコンディションの魚が群れているポンドや、普段出掛ける渓流と変らない雰囲気をもったエリアで、いつものように釣りを楽しむことはできる

 それでも、年が変り、少しずつ日が長くなりはじめる頃になると、”解禁”の2文字に心躍らせてしまう
 そして、たいして魚もいなければ自然豊かでもない、寒狭川のあのポイントに想いを馳せる
 
 今年もまた、そんな季節がやってきた
 来年も、再来年も、ずっとこんな気持ちで解禁を待つ季節がやってくる…そう思っていたかった


January 「社会復帰」
月28日(日) 天竜川C&Rエリア(静岡県)

 まー例年この時期は釣りができない禁断症状に悩まされたり、あるいは逆に『もうすぐ解禁♪』と浮かれているかどちらかである

 しかし、世の中には12月だろうが1月だろうが普通に(鱒)釣りができる川や池がゴマンとあることを知り、実際昨年の渓流禁漁後もヒョコヒョコと出掛けていた

 こうなると不思議なモノで、シャカリキに釣りに行こうとは思わなくなる
 たまの休日も『釣りに行ってもいいんだけど…ま、別に来週でもいいか…』などと余裕をカマしてたりする

 で気が付くと解禁まで1週間になっていた
 『いくらなんでも、そろそろ行っておいた方がいいんじゃないかな…』といきなり焦りだした

 『やっぱり、少しはキャスティング勘を掴んでおきたいし…寒さにも慣れておかないと…』
 ということでやってきた天竜川だったが、基本的なコトを忘れていた



来るたびに薄くなってる気がする魚影…


♪「1日1匹、3日で3匹…」

 『ここは寒狭のシミュレーションにならないだろ』

 ダム下の駐車場から、かつてあの巨人の江川が幼い頃毎日対岸に石を投げて肩を鍛えたという広大な川原を見てそう気が付いた


 が、まー来ちゃったもんはしょうがない。おそらく秋まで使わないコトになるであろう5番ロッドで週末の解禁に向けて自主トレを開始する

 何でも2日前に追加放流があったとのことで、
天竜はこの日も大いに賑わっていていた
 
しかし、去年11月には川を渡ろうとすると思わず踏んづけてしまいそうなほど群れていたレインボーの姿がサッパリ見えない。あたりを見回しても釣れてる人はいない…と思ったら、遠くの方でフライマンのロッドが曲がった

 『いいなぁ…』などと思い、目の前のマーカーを見ると…消えた

 『おぉ!』
 久しぶりに対面したレインボー…サイズだけはしっかり寒狭をシミュレーションしていた

 昼過ぎに一旦駐車場に戻ると、その一画にまるで自宅の居間にいるかのように、我が物顔でくつろいでいる集団の姿があった

 この天竜の牢名主、sammyさんM'sさんたちだった
 しばし(1時間以上だったりするが…)”居間”におじゃまさせもらった後、全員で下流のポイントへと移動する


 ダム下に比べると人影もまばらなそのポイントは、魚影もかなりまばらなハズだったのだが…sammyさんにかかるとたちまちパラダイスに変わってしまう

 『そんなに大きくないなぁ…45センチ』
 『あ、また小さいかな…44センチ』
 たまーの小さなアタリに狂喜する他の4人をあざ笑うかのように連続ヒットを繰り返すsammyさん


 所用により先に帰路についたのだが、思わず橋の上から石でも…なーんて思ってませんよ。心から祝福してましたよ!だから、ホントだって!



「なーんだ、小さいナー」  「…(- -メ)」
February 「ー9度」
月3日(土) 飛騨川(岐阜県)


何もこの冬一番の寒気の中で…

 何でも、2月アタマ解禁の岐阜県内の超有名河川では、マーカー付けてニンフでも流そうものなら罵声を浴びかねないところらしい

 ましてや、5個100円のダイソーmadeのウェット(モドキ)を沈めようものなら、一緒に自分も沈められるかもしれない

 ということで、同じ岐阜県内ではあるものの、おそらく30ヤード先へ極小ミッジを飛ばす必要はたぶんないであろう飛騨川へ行くこととなった

 ところが、前の日はこの冬一番の寒気が襲来。この日も国道の温度計が表示していたのは…『−9』

 『冷蔵庫でももうちょっと暖かいぞ、コラァー』

 さて、現地へ着いてみると拍子抜けするくらい閑散としている
 『ゴッソリ抜かれた後なのか、それとも…』
 半信半疑でとりあえず釣りはじめる。が、反応はない


 しかも、油断してるとフェルトは凍って石に張り付き、ガイドも氷結してくる有様…そのとき、上流に異様な光景が見えた

 その堤防の一画では、10人ほどの釣り人がギッチリと肩寄せ合って竿を出していた
 しかも驚いたコトに、その中にはこの日同行した仲間の何人かが混じっているではないか!

 何事かと思い尋ねてみると…
 『いますよ、アマゴ。100匹くらい』


 川原で立ち込んでいる自分たちには見えないが、上からはアマゴがタタミ1畳ほどのスペースに群れているのが見えるという…
 必死に目を凝らす…が見えない

 そのとき、目の前の川底の色が変わった
 と同時に、堤防にいる釣り人の視線と竿先も移動した

 『アッー!コレが魚か!!』
 つまり、魚がスキマ無くミッチリとかたまっていたので、その一画が単に黒っぽい川底に見えていたのであった

 そうとわかればソコめがけてキャストまたキャスト。最初は遠慮して岸から投げていたが、ジワジワとウェーディングして最後は群の2メートル手前からキャスト
 やがてDUSKの店長さんがナイスサイズのアマゴをキャッチ!続いて『空色ライフ』の洋さんもキャッチ!

 『次は…オレだろう。フフ』と思ってキャストし続けるが乗らない
 やがて遠くから『一から出直し修行的毛鉤釣』のgodzillaさんの声
 『taroさーん、昼にしましょう!』
 気が付くと、まわりには誰もいなかった…



ま、解禁日ですから…


ヤミツキになりそうです

 いつもながら見事な腕前のシャックマンさんの鍋と、godzillaさん提供のワインにおしるこというこれまた堪えられないメニューのランチ…

 『あー、いい1日だなぁ
…釣れてないけど…

 ということで、上流に移動しちょっと真剣に釣りをする
 やがて散発ながらもライズのあるポイントを発見、何度かフッキングさせるが…これまたネットまでが遠い
 そうこうしているうちに解禁日らしく堤防の上からエサ釣りの仕掛けが何本も落ちてきて、ライズをすっかりさらわれていってしまった…

 その後再び午前中のポイントに戻り、イブニングまで粘るも…今年もやってしまった解禁『ボ』…  

 『ま、昼は美味しかったし、みんなでワイワイやれる季節になったということで、いい1日だったななぁ…
釣れなかったけどな!

月4日(日) 寒狭川中部(愛知県)

 前日、自宅に戻ったのが午前1時前…さすがに『今日も(釣りに)行く』とは言えない状況が漂うtaro家の食卓である

 ところが、妻が子供を連れて実家へ出掛けるという(はたして帰ってくるのか?)
 そのスキを見計らって、この日解禁の寒狭川(中部漁協管内)へ”様子見”にやってきた

 ヤナの駐車場から川を見ると、いました一際目立つ存在感の御仁…『輝ける沢の辺で』のライズさん
 『もう100匹くらい釣ったんですか?』と軽くジャブを入れると…
 『午後から絶不調。これで”たったの”27匹目』とカウンターを食らってしまった

 続きを聞くのも何なので、下流へ向かうと…背中に天竜の年券をブラ下げた2人組の姿…まごうことなくsammyさんM'sさんのお姿
 で、その2人が言うには『大会終わったんで、1000円でいいらしいよ』



やっぱり、魚を見ちゃうとねぇ…


マーカーに出ようと、何だろうと…
釣れりゃイインダヨ!

 偶然にも、前日の飛騨川の装備がそのまま車に積みっぱなしになっていた
 
『1時間だけ…』

 再び浜松組の2人がいるポイントに戻り、M'sさんを秒速10センチくらいのスピードでジワジワと下流へ追いやり、まんまと好ポイントを確保する

 すると、ついにヒット!しかしティペットごと切れてしまった…
 マーカーごと流れていく魚、笑いをかみ殺している2人…

 すると、そのM'sさんがまったく同じパターンで切られた
 たちまち”人の不幸は蜜の味”
から”同類相哀れむ”へ…『あぁ、フライフィッシングはいろいろなコトを教えてくれるのだなぁ』とあらためて感心する

 その後、なんとか制限時間内に1匹をキャッチ。妻と子供も無事戻ってきて一安心

 『で…釣れたの?』
 『えっ、何の話?…』 ^^;

月11日(日) 寒狭川中部(愛知県)

 寒狭中部はシブいらしい

 ま、「らしい」なんて言うまでもなく自分で先週体験してきたわけだが、プールでも瀬でも景気よくロッドを曲げているフライマンはあまり見なかった。1人を除いて…

 3連休を前に、その1人からお誘いがあった
 「いやー、イブニングなんてやりませんよ。そんなにやったら100匹釣れちゃうじゃないですか!ま、50匹くらい釣って、昼くらいに帰ろうと思ってますんで。ガハハー」

 ということで、あれほど毛嫌い敬遠していた寒狭中部に2週続けて行くことになった

 
夜明けの国道は気持ちいい。「あー、今日は釣れそうな気がする…」などと期待に胸躍らせていたが、漁協管轄エリアに近づくにつれ道が混み始める

 ふと気がつけばまわりは4駆やワンボックス。リアには見覚えのあるメーカーのステッカー…
 途中の工事用信号に捕まると、自分の前後には車がそれぞれ10台以上も渋滞していやがった…



ここでキャストを見られるのは正直キツい…


初日の釣大会なら上位入賞…は無理か

 さらに呆れたのは駐車場下のプールだ

 薄暗い川の中、すでに10人以上の釣り人が等間隔で並んでいる
 「あー、今日は絶対釣れない気がする…」
 と、ハラをくくりながらも小走りで漁券屋に向かうと…『そんなに焦らなくても大丈夫ですよー。あはは』

 すでにライズさんねねこさんが到着していて、すっかり明るくなったところで釣り開始
 プールでポイントを探す2人と分かれ、先週魚が溜まっていたポイントを目指す
 「おー、いるいる!」
 先週の当たりパターンを流していると、(50匹とは言わないけど)まぁまぁのペースで何匹かのシラメをゲット

 その後サイズアップを狙って下流のプールなんかを…と思ったがこれが良くなかった
 バレる、切れる、ロストするの連続で、ただでさえ少ない手持ちのフライとショット(ラバーショット。前日岡崎のとあるショップで購入したのだが、『寒狭で使う』と言った瞬間、オーナーである某有名フライフィッシャーの目が冷たくなった…)が無くなっていった

 さて、気がつくと昼を過ぎていた

 「いやー、僕はもう帰ってもいいんですけど、ねねこさんとtaroさんはコレじゃ帰れませんからねー」(ライズさん)

 で、昼食後はお約束の午後のラウンドへ突入
 午前中何度か大物の影を引きずり出したポイントへ向かい、去年天竜でビッグレインボーを仕留めたフライで勝負をかけると、あきらかに尺オーバーのアマゴが追っている…

 『食え!食え!よーしゃっ!』
 と思った瞬間、脇から出てきた8〜9寸ほどのシラメがパックリと食いついた

 結局コレが最後の1匹。まぁ、なんというか…
 その後はドライでヘナチョコなキャストを繰り返したが玉砕。お昼までのはずがすっかり薄暗くなってしまった…

 でライズさんは果たして100匹釣ったのか?
 詳細は↓をご覧下さい

yahooブログ:『輝ける沢の辺で』
http://blogs.yahoo.co.jp/risecatcher/44619611.html



ライズさんvsテンカラ師のラインクロスバトル!
月17日(土) 寒狭川中部(愛知県)


この日唯一のフッシュ・オン!…も切られました…

 いやー、また来ちゃった寒狭中部

 ぶっちゃけ今シーズンまでこの漁協の管内でちゃんと釣りしたコトはない。上流エリアだと勘違いして入った1回と、ついつい無券で竿を出してしまった1回のいずれも10年以上前の計2回やっただけで、もちろん2回ともボーズだ(と、密漁の言い訳をサラリとしておく)

 それが今年は2週間で3回目である
 何がそんなにイイのか?って、正直わからない。いや、たぶん全然良くないと思う
 あまり釣れてる人は見ないし、一部を除いて渓相もたいしたコトないし…

 ま、2月初旬の解禁とフライ・ルアー専用区でうまく時流に乗ったことで人が集まるようになり、それに気をよくした漁協が放流量を増やし…で、いつのまにか人気河川になった、というコトなんだろう

 などと、前置きが長くなったところで、すでにこの日の釣果はお察しのとおりである…

 強風を予想し、この日用意したのはスコットの8フィート8インチの#4。しかし風こそないもののガイドが凍りちっとも飛ばせない
 ちょっとフライを重くすると、その荷重に美○フィッシングエリアで買った(おそらくは長期在庫の)ティペットが耐えられないのかフォルスキャストで切れる

 寒さも限界に達したところでランチタイム。先日の飛騨川とほぼ同じメンバーが揃ったところで、この日も御馳走&美酒に舌鼓
 なんか最近は釣りよりコレが楽しみになってきている気もするが、まー釣果がアレなんで仕方がないところ

 そうは言っても釣りたい。で、考えた結論…それは『竿が悪い』
 ということでフリーストーンにチェンジ。さらに『ポイントも悪い(気がする)』ということで上流へ向かう

 しかし、結果は同じ…
 やっぱり一番悪いのは『ウデ』だった…わかってたけど…



いつも食ってるだけで恐縮です…


結局、増水で場所取り棒は流されたらしいです

 訳あって3時前に一人帰路につく

 帰りに翌日から解禁の寒狭上流の年券を買うために、例によってリキゾーさんのお店に寄ると、ルアーマンが購入の手続き中だった
 ル:「専用区ってどのへんなの?」
 力:「おー、明日は雨が降るって言っとったわ」
 ル:「…地図貰っていい?」
 力:「毎週放流するでのー、土曜日!」
 ル:「…アリガト。」

 笑わせてもらったところサッサと券を買い、店の外に出る
 すると河原には竹の棒にコンビニの袋をくくりつけたモノが何本も立っていて、さらに同様のブツを持ったオヤジが何人もウロウロしてた…

 『コレってもしかして…』

 この瞬間、翌日の解禁の様子見に行こうという気持は無くなった

月20日(火) 寒狭川上流(愛知県)

 2月だけで5回目…さすがに家庭崩壊の予感をヒシヒシと感じるこのごろではあるが、やはり解禁の週の寒狭上流は外せない
 しかも解禁当日の釣り大会が不発に終わったとのことなので、この日は何年かぶりに本流区間を狙うことにした

 古い橋の上から川の様子を見てみると…「おぉ!いるジャン!」
 寒狭上流でこんなふうにアマゴを確認してから川に入るなんてホントに久しぶり
 『やっぱ大会は不発だったんだな!ラッキー!!』と性格の悪さ全開で釣りはじめる

 さすがにライズはしていなかったので、とりあえずニンフを沈めて流す
 アマゴがすーっと寄ってきたところで、カワムツが横からパクッというパターンを何度か繰り返した後、念願の初アマゴがヒット!

 『大会大増水バンザーイ!!!』
 のハズだったんだけど…



この広いプールが貸し切りなんて…感涙


エサ針が口に残ってました

 重いショットをカマして、底に沈めてグイーっと引っ張る釣り(きっとフライフィッシング的には何かちゃんとしたネーミングがある釣り方なんだろうけど…知らない)でその後もアマゴの反応を楽しむ

 いい加減見切られてきたようなのでフライをチェンジし、ショットを…と思ったのだがナイ。ポケットを何度探してもナイ

 『あぁ!オレのスペシャルケース入りタングステンショットがぁ…』


(*告知…”ハローキティ”のケースに入ってるペーストタイプのタングステンショットを見つけた方、トップページのメール、または掲示板の方へご一報ください)


 仕方なく(?)ドライに切り替えるも反応がないので、支流に向かうことにした

 ところがこの支流、まーったく魚の気配がない
 いつもならカワムツが群れている淵でも、その気配すらもない

 いつもなら必ず反応のあるポイントでも、魚が見えるハズのところでも完全に沈黙…念のため近くで測量作業をしていた工事の人に尋ねてみるも…『今日は釣りの人はアンタしか見とらんぞ』とのこと…

 結局、あの大増水の解禁日…みーんな支流に入ったんだろう
 特に、この支流のように入渓しやすく、しかも大雨の後でも濁らない渓は格好の”漁場”だったんだろう…

 ウチに帰って『寒狭』でブログ検索なんかしてみると…
 案の定、解禁日に釣れてる人はみんな支流に入った人ばかり

 梅雨あけの頃の稚魚放流がメインのこの支流に、魚影が戻ってくるには時間がかかりそう…



見えない…目をこらしても…
March 「フライやめますか?それとも…」
月4日(日) 宇連川(愛知県)


のどかな景色…

 皆さんは”宇連川”をご存知だろうか?

 あのイワ○さんも訪れるという、大入川漁協の南、全国的に有名な寒狭中部の東、県境を越えてすぐには広大なフィールドの下伊那漁協…そんなメジャー河川に囲まれた、知る人ぞ知る…というば聞こえは良いが、実際は地元の好き者しか訪れることのないマイナー河川だ

 で、『2月アタマ解禁』だけが取り柄だったこの川が、何を勘違いしたのか今年は2月末解禁となった
 当然、まわりの漁協はすでにオープンしちゃってるワケで、『何もこの時期に宇連川なんて…』というムード全開。解禁1週間、しかも前日が放流日だというのに、すべてのポイントがほぼ貸し切りという状況であった

 で、なんでワザワザこんなところに来たのかというと、『輝ける沢の辺で』のライズさんが、どこからともなく”釣れる”というウワサを嗅ぎつけたらしく、今回もお誘いいただいたからなのであったのだが…

 1時間かけて漁券売り場を探したところで釣り開始
 「人いませんねぇ〜…」
 「そりゃ来ないですよ。寒狭中部の放流日翌日にわざわざ宇連川くんだりまで…」などと後ろ向きな会話をしながら川をのぞくと…
 『い、いたっ!うわ、い、いっぱい!!』
 なんと、プールにアマゴが何匹も群れていた。しかもライズさんが竿を出すやアッサリ釣れる
 ポイントを移動した先でも、ライズさんのロッド曲がりっぱなしの文字通りのワンキャストワンヒット状態…

 が、自分のロッドはひたすら沈黙…

 今まで宇連川に対し『魚がいない』だの『釣れない』だの罵詈雑言を書きつづってきたが、結局
ウデが悪いだけだったということが判明した1日…

 『いや〜、いい川ですねぇ〜。来年も来ましょうよ!』とすっかり宇連川がお気に入りの様子のライズさん…

 でも…来年やってるかなぁ…ここの漁協…



釣って釣って釣りまくる…
月8日(木) 寒狭川上流(愛知県)


”男”の釣りをするgodzillaさん(左)と洋さん

 まー日付でおわかりかとは思うが平日である

 そんな中、このところすっかり春を通り越して初夏さえ思わせる陽気の渓流で、存分に釣り上がりを満喫するべく3人の不良社会人愛好家が寒狭上流に集まった

 が、天気は数日前から突如真冬に逆戻り。この標高の低い寒狭でも道路の温度表示が「0℃」を示す有様
 そして釣りはじめてほどなく雪が舞い始めるという、『普段の行いが…』などという言い古されたイヤミが会社から聞こえてきそうな展開となった

 そんな中、名古屋からやってきた『一から出直し修行的毛鉤釣』のgodzillaさんと、『空色ライフ』の洋さんとハラをくくって釣りはじめる
 フライは当然ドライ、しかもミッジなんかは使わない”男仕様”の釣りで狭い渓を3人で釣り上がることに…

 釣れない

 厳しいとは思っていたが、本当に厳しい
 寒さと反応の渋さに集中力の切れかかってきた頃…
 『ぱしゃ』
 「おぉっ!出たっ!」
 洋さんが何気なく投じたフライにアマゴが飛び出した。が、あまりに唐突だったせいかフッキングには至らない
 「いましたね〜!」
 「いましたよ!」
 まー当たり前のコトなんだけど、この日は魚が存在するということ自体が、無性に喜ばしく感じられる

 ガゼンやる気になったところで、盛期には必ず反応があるポイントに慎重にフライを送り込むと…
「ぴしゃ…」
「キターーーー!!」
 およそ半年ぶりに見る寒狭のヒレピン…もう泣けるほどウレシイ1匹だった。ものすごく小さかったけど…



こんな渓相…でも大好きです
(撮影はgodzillaさん)


これならサイズはわからないでしょ?フフ

 その後、雪はほとんど吹雪状態となる中、これまで何度も予想外の大物が姿を見せたプールへ向かう

 そこでは、この寒さの中ライズする魚もいるという”局地的蒲田川状態”の光景も見られた
 しかし、何度かバッチリのタイミングで合わせているハズなのに魚が乗ってくれない
 そこでgodzillaさんが慎重にストーキングしプールをのぞき込むと…ベタ底に定位する何匹ものアマゴを確認
godzillaさん、やおら禁断のフライを取り出しそのアマゴの鼻先を流すと…
「おぉ!」…”ブチッ”…「うわぁーっ!」

 すぐ足下でのたうつアマゴは、一目で良型とわかるナイスプロポーション…
去年の店長さんに続くメークドラマにはならなかったが、これがまた何とも渓流釣りらしいシーンで3人で大笑い

 天候も釣果も厳しかったけど、寒狭でこうして楽しめる季節が今年もやってきたということが本当に嬉しかった

May 「復活!」
月某日(某曜日) 寒狭川上流(愛知県)

 いやー…長かった…

 かれこれ2ヶ月この釣行記も放置。解禁からあれだけトバして釣りやってた人間が、これだけ釣りに行ってないとなると…たぶん死亡説なんかも流れてたかもしれない

 まー話すと長くなるのでこの2ヶ月のコトはさておき、いろんな感慨に浸りながらの道中のドライブもなかなかオツ…のハズだったが、新城からずーーーっとジジィの遅い軽自動車にブロックされている

 『トットと免許返上しやがれこのモーロクジジィ!』
 と、心にもない下品な言葉を吐きかけた頃、ようやく道を譲ってくれたのが大名倉の集落の手前…『ありがとうジジィ…たまにはバックミラーも見たほうがイイと思うよ…』

 抜いてすぐの路肩に車を止めようとすると、反対車線からスーッと車がやってきてその路肩へ…

 降りてきたのは準備万端のフライマンだった…

 『さっきのジジィ…やっぱり殺す…』



今年の大名倉は良い…らしい…


結果オーライ…これもまた釣り也

 泣く泣く清流公園を越え、東海豪雨以後は初めてという久しぶりのポイントから入渓

 やっぱり渓相はそれなりに変わっていたが、緑の濃い匂いはそのまま…リラックスしてフライを流していると…

 『ズボッ!』
 いきなりイワナの極太の上半身(っていうのか?)が飛び出したが、悲しいかな久しぶりの釣り+長めのラインシステムのため見事にスッポ抜け…
 その後も同じパターンを繰り返すというイヤ〜な展開…

 『そんなに時間もねーし…やっぱり1匹くらいは魚の写真を撮りたい…』
 かつては良型がいつもライズしていたポイントを慎重にのぞき込むと…25センチ前後のイワナが底付近に定位しているではないか!

 『こーなりゃ…仕方ない…ヤルか…』
 おもむろに”あかむしくん”を取り出し、鼻先に送り込む…
 反応したのは最初の一回だけ。その後もフェザントテール、マラブーなど流すも玉砕。思いっきりバシャバシャやって上流へ向かった

 短い”復活釣行”もそろそろ時間…「ま、今日の釣りはなかったコトに…」というお約束の言い訳など考え始める

 脱渓ポイントまで投げやりにキャストを続けていたが、フラットな流れの瀬尻でスッとフライが消えた
 なんとなくピックアップすると、何かに引っ掛かっているような手応え…

 『根掛かりか?』
 グイグイと引っこ抜こうとすると、何と水面からイワナが出てきた

 『あわわぁあぁあーーー!バレないでぇーーーっ!』
 オタオタしながらもなんとかネットイン…9寸ほどのよーく肥えたキレイなイワナだった

 まー、交通事故っちゃ交通事故なんだけど、やっぱり”釣れた”ってのは気持ちよい。それにデカかったし…

 え、「それは『釣れた』って言わない」って?
 まー、堅いコトは言わないで。2ヶ月ぶりなんですから…



あ〜気持ちよかった!

月某日(某曜日) 寒狭川上流(愛知県)


2ヶ月前との温度差、ほぼ30℃

 お気づきかもしれないが、上とこの日の釣行記は日付が”某”となっている
 これは家庭および勤務先での自分の身の安全のためのやむを得ない措置なのでご理解いただきたい
(見出しに"May"と書いてあるのも見なかったことにしてほしい)

 ということで2日続けての短い釣行、もちろん寒狭川であるが、この日は当貝津方面へ出動
 2ヶ月前、「0℃」と表示されていた道路の温度表示が、この日は何と「29℃」…『ヤベぇ!厚手の服しか持ってない!』

 この2ヶ月間、ほとんど釣り道具の手入れをしていなかったため、持ってきた装備が完全な冬装備…フリースの靴下、サーモ下着、厚手のラグビージャージ…

 仕方ないので、Tシャツ1枚の上にフライベストという、真夏でもしないような軽装備で釣りはじめることに…

 駐車場でスーパーハッチしているデカい蜂に脅えながらすばやくタックルをセットし、川へ降りる

 ところが前日同様、ゴールデンウィークも終わった平日だというのに(あ、月日がバレる…)、先行者の足跡がクッキリと残っている

 当然のように反応もシブく、いつも必ず魚影が見えるポイントでも何事も起こらない…
 すると昨日までの大らかな気持ちはドコへやら…#18、#20とフライサイズを落としながら神経質なキャストを繰り返すことに

 すると、やっとフライを見に来るアマゴの姿を発見。ティペットをさらに1フィートばかし長くとり、入魂のソフトプレゼンテーション…

 『ピシャッ!』
 『よっしゃーーー!』狙い通りのラインから飛び出したアマゴは、この渓らしいキメ細かな肌のペッピンアマゴだった



あ、フライが写っちゃった(恥!)


今度はもう少し長い時間釣りたい…堂々と(笑)

 これをきかっけに”如何にも”のポイントから次々とアマゴが出てくれた

 フライもいつものパラシュートに戻し、テンポ良く釣り上がりさらに数匹を追加
 サイズは春先より一回り大きくなった程度だったけど、このまま大きく、美しく、そして(自分のフライにだけ)素直に育ってくれれば、と思う
 見上げれば強い日差しを適度に遮る樹木。軽い着心地のTシャツと渓に吹く風も実に心地いい

 『あ〜…やっぱり渓流釣りはイイなぁ…』
 などと、渓に”帰って”きたことを心から楽しんだ

 車に戻り、ふとミラーを見ると…そこに映っているのは赤ら顔の中年男。二の腕から手の甲までもしっかり日焼けしていた

 『あわわ…オレ、今日病院行ってることなってんだけど…』

月某日(某曜日) 某漁協管内C&R区間(某県)

 今回は場所も公表できない

 なぜなら、貴重な魚種の保護のため…ではなく、仕事・家事ともこのクソ忙しい中、あんなトコロまで釣りに…ということがバレれば、自分も明日からネットカフェ難民になってしまうかもしれないからである

 ということで、この日向かった先は仮に『イシテツシラカワ』という名称で呼ぶことにしたい

 このところ、各方面で絶好調が伝えられるこの”イシテツシラカワ”だが、自分が経験したのは昨年秋の『厳しい』季節のみ
 なので、いわゆる”ベストシーズン”になんとか釣りを…というアツい思い抑えることができず、「昼まで」(昼過ぎから所用あり)という時間的制約にもメゲずにやってきた

 イシテツシラカワは平日にもかかわらず各ポイントごとにフライマンがポツポツと早朝から竿をだしている
 そこで、先行者覚悟で”最もイシテツシラカワらしい”区間に入ることにした



いきなり、このプールで1時間釘付け


朝焼けに輝く金色の魚体…あぁ至福の瞬間

 ところが、川に降りて30秒、2投目で最初の1匹がヒットする
 しかし、半年ぶりのイシテツシラカワのイワナの力強いファイトにアッサリとバラされた


 その後も、もう至るポイントから出る
 入渓点から最初のプールまでのほんの数十メートルを釣り上がるのに1時間ほどもかかり、さらにそのプールでのライズにハマりあっという間に時間が過ぎていく…

 止まないライズに後ろ髪を引かれながら、さらにジワジワ釣りあがり、やっと駐車場にかかる橋の下まできたとき、これまでとは格段に違うデカい魚体が飛び出した…が、フッキングしない

 『シャ…尺上様だ!』
 ダメ元でもう一度キャストすると…”ビシィッ!”…掛かってしまった

 久しぶりの心臓バクバク感に浸りながらロッドに力を入れると…切れた…

 駐車場より上には先行者が確認できたため、もう一度最初に入渓したところから(苦笑)2ラウンド目開始

 時間的にヤバくなってきたので、今度はテンポよく釣り上がる
 しかし、やっぱり気になる橋の下だけは丁寧に探ると…
この川でのアベレージ(寒狭なら仰天モノ)のイワナが釣れてくれた

 帰り際、駐車場下のプールの”釣れないライズ”を呆然と見る…すると、それまで底付近に定位していたイワナまでライズを始めた

 『アレなら…もしかすると釣れるんじゃないかナ』
 根拠のない妙な自信で川原に降り、キャストすると…

 『バッシャッ!』
 見事ヒット。この日イチバンのサイズの”これぞイシテツシラカワ”といった野性的なイワナであった

 魅惑のイブニングタイムを前に心残りはあるものの、この1匹で満足し家路につく

 『ま、明日も遠征だしな!』



いつ見ても綺麗なイシテツシラカワのイワナ!
月某日(某曜日) 某有名漁協(某県)


釣り堀横の先行者…やけにデカかった

 というコトで2日連続遠征の2日目は前日とは逆方向、しかもさらに遠距離となる超有名河川…仮に”押野”としておこう…にやってきた

 スケジュールは昨日とほぼ同じ、早朝着の昼までの半日勝負。なので、まずは魚影の濃い釣り堀〜漁協駐車場前の区間に入る

 相変わらずこの世もモノとは思えないサイズと数の魚影が漂う中、始めて数分で掛かったのは20センチほどのレインボーだった
 『あ〜イヤな予感がする…ソコの車はクーラーボックス積んでるし…(※:押野エリアの某有名レストラン兼フライショップのオーナーさんのブログによると、この日”ルアーの後ろにマグロの切り身をつけて釣ってた”輩がいたらしい…さては…)。』

 とにかく、1匹釣って気がラクになったので徐々に下流へ移動開始することにした

 鱒の家裏あたりではヤマメがバッシャバッシャとライズの真っ最中。とりあえず流すとものすごい勢いで何匹もが寄ってくるが…あと5ミリというところで見切る

 さすがにカチンときたので沈めて探ると、今度はレインボーがワサワサ寄ってきて何匹かヒット
 ちょうどリリースした頃に他のフライマンが通りかかったので、『どうですか?』と尋ねると『いやー、まだまだ初心者なんで…』とのこと
 そこでよせばいいのに『ココらは活性が高いですからねー。やってみてくださいよ』などとエラソーに言ってしまったら…

 この”自称初心者”が釣る釣る。しかも後ろのほとんどスペースのないところでビシビシとキャストをキメ、1分1匹ペースで次々と掛けやがる
 もはやいたたまれなくなり、下流へ向かおうと思ったところで前出のオーナーさんの奥様から『下流はあまり釣れてなかった』と聞き、ふたたび上流へ向かった



ここでの撮影は魚が可哀想でいつも罪悪感…


ヤマメはどれもとてもキレイな魚体でした

 釣り堀の排水口のところでは、フライを”ポッチャン”とやっただけで、レインボーの群が先を争って食いに来るというあり得ない釣りを体験
 しかし、さすがにコレはどうかと思ったので
橋を超えて合流点あたりのライズを狙うことにした

 禁漁区の看板あたりでのライズを、スコット様のパワーに頼り渾身のロングキャスト(と言っても10メートル…いや、7メートル…弱)で攻める
 何を食ってるかなんて考えたところでどうせ自分では判別できないので、フライは持ってる中で一番小さいCDC…

 すると、下流に定位していたレインボーがジワジワっとそのフライめがめてレーンを移動していく
 『バクッ!』
 その一部始終が見えていたため、遅れることもなくキッチリ合わせてランディングすると、この日一番のキレイなレインボーだった

 西へ東へそれぞれ片道200キロ超の遠征…だけど、なんか2日続けて同じような展開だったナ

月27日(日曜日) 寒狭川上流(愛知県)

 まぁ今日はイイだろう。寒狭だし、8時(もちろん午前)くらいまでしかやってないんだから、堂々と日にちも場所も公開してやろうじゃないか!

 とは言うものの、最初に入ったのは某支流の細谷。何故”某”かというと、貴重な天然イワナのこの谷も、、この数年ヒドく荒れてきているからである(「こんなサイトなんて、誰も参考にしてねーよ!」という声が聞こえる気もするが…)。

 さて、一昨日には結構な雨が降ったハズのこの地域。普段はチョロチョロと心細い流れのこの谷も、さぞ立派な流れに…と思いきや、驚くほど水量が少なく、やはりこの数年の寒狭の支流・源流の荒廃を実感する

 愛知県も「森と緑のナンタラカンタラ…」なんて言う聞こえのよい基金設立のために、またぞろ増税する気らしいが、その前にやることがあるだろうに…



あれだけ雨が降ったのに…



よかった…まだ居た…

 当然のように反応はシブい

 いつも魚影の見える小さなプールも、細い筋もまったくの無反応で、『ついにココも釣りきられたか…』というイヤーな気配が漂い始める

 ハイペースで釣り上がり、3コ目の二股を過ぎたあたりでようやくヒット!するも、その小さなイワナは目があった瞬間にフックを外してしまった

 そこからはポツポツと反応があり、数匹の(かわいい)イワナの顔を見ることが出来た

 以前に比べるとものすごくスレてきているように思うけど、ココのイワナにとって、それはそれでいいんじゃないか…などと微笑ましくさえ感じながら、下流へ戻ることにした

 さて、下流は珍しいくらい人が少なかったので、この数年のお気に入りの区間に入ったのだが…

 コレが、それこそワンキャストワンヒットで釣れる。もう寒狭じゃないみたいに(笑)

 サイズは15〜20センチほどのアマゴばかりなのだが、全てのポイントで何らかの反応があり、ライズしてるアマゴもフライに2度3度とアタックしてくる

 さっきの谷とのあまりの違いに、一瞬”ウハウハ”状態ではあったのだが…

 よくよく考えてみると、リリース区間でもなく、持ち帰る釣り人も多いこの寒狭上流…こんな状態はあまり喜ばしいコトじゃないのかも…と、にわかに気が滅入ってくる

 スレきったイワナに喜び、次々に飛び出すアマゴを憂う…

 なんだかよくわからない、寒狭での短い釣りだった



活性高過ぎ
Next (part2)


toppage

Field Note
 
Back to previouspage