S家用オーディオシステム プリアンプ2号

正面

背面

S家より追加注文

 リビング用オーディオシステムを納入したS家より、2階の部屋でもレコードを聴きたいとの要望を受け、もう1 セット製作することになりました。ありがたいお話です。プリアンプは、前回とほぼ同じ回路と しましたが、いくつか改良点があります。

プリアンプ回路

 増幅回路は、前回を踏襲しています。サブソ ニックフィルタはあまり使わなかったので、省略しました。また、オートシャットオフ回路の電源電圧を変更したことに伴い、FETによる ソースフォロワをなくしました。また、スローブローヒューズを入手できたので、Rコアトランスの突入電流を回避するための回路も省略でき ました。全体に、簡素化された回路となっています。

回路図はこちら

オートシャットオフ回路

 基本的な回路構成は前回と同じですが、上述のとおり信号検出回路の電源電圧を15Vとすることで、プリ アンプ部にあったソースフォロワ回路を省くことにしました。その分出力信号のピークが約7Vを超えるとクリップして、出力波形に影響を与 えてしまいます。しかしながら、実用上、そんなに大きな信号は出すことはないので、問題ないと考えました。また、タイマ回路のコンデンサ の容量を増やし、無信号になってからスイッチが切れるまでの時間を約5分としました。

回路図はこちら


ケースの製作

 ケースのデザインも前回を踏襲していますが、簡略化できるところは簡略化し、電源用リレーを背面パネル から飛び出させています。
 

測定結果

RIAA偏差

 フォノイコライザ部のRIAA偏差です。今回も、イコライザ回路の真空管はテレフンケンのECC83を使用してい ます。最初はJJのECC803Sを使用したのですが、RIAA偏差が大きかったため、ECC83に変更しました。ECC83と ECC803Sの違いによるRIAA偏差のずれは方は左右チャンネルとも同じ傾向でした。この回路はECC83のほうが相性が良いようで す。


ECC83(TELEFUNKEN)の場合

ECC803S(JJ)の場合

ラインアンプ部出力対歪率特性

 出力電圧5Vくらいまでは、非常に低歪ですが、オートシャットオフ回路の信号検出回路の電源電圧によ る制限からクリップにより急激に歪が増しています。想定どおりの結果といえます。パワーアンプのゲインを考慮すれば、出力電圧5Vを超え て使用することはないと考えられますので、問題なしとします。

外観:前回とほぼ同じ外観ですが、ツマミがひとつ少なくなっています。

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