第132章  クルーゼの敗北




「フレイ・アルスター、何故ここに居る?」

 家に入ってきたユーレクがフレイを見て、いきなりそう疑問をぶつけてきた。この男が自分の名を知っているという事にフレイは驚き、何故自分を知っているのかと聞く。するとユーレクは苦笑を交えてそれに答えた。新聞に顔出しで出ている有名人なのだから知っていても不思議ではないだろうと。それに、自分は一度君と戦闘をした事もある、と。
 それを聞いたフレイはどこで戦ったのかと聞き、ユーレクは自分は傭兵で、前にザフトに雇われてアークエンジェルと交戦、105ダガーを落とした事があると答えた。それでフレイは、目の前の男があの時、自分を半殺しにしてくれたディンのパイロットなのだと知ったのだ。

「貴方が、あの時のディンのパイロット?」
「ああ、まさか一度交戦した相手とこうして顔を合わせるとは思わなかった」

 ユーレクはニコリともせずにそう言うと、抱えてきた袋を部屋の荷物棚の上に置いた。そのユーレクの背中にフレイは敵意の篭った視線を向けていたが、やがてフウッと息を吐くとその視線を緩めた。

「まあ、前に助けてもらったし、昔の事を言うのは止します」
「そうしてくれると助かるが、今もザフトに雇われている身でね。また君と戦う日が来るかもしれんよ」

 ユーレクは初めて僅かに笑みを見せ、そしてエレンに何かの紙切れを渡した。それを受け取ったエレンの表情が僅かに曇り、そしてユーレクに苦情を幾つかぶつけてくる。ユーレクの方は首を左右に振って拒否していたが、何を話しているのかはフレイには良く分からなかった。
 そしてすぐにユーレクはまたどこかに行ってしまい、フレイはもう少しエレンと話をしていく事にした。世界的な歌手と落ち着いて話をする機会など滅多にあるものではなく、この幸運を逃したくはなかったのだ。
 そして日が少し傾いてきた頃になって、またユーレクがやってきた。右手に書類入れのようなものを持っている。

「アルスター、前のようになっては困るから、暗くなる前に送っていくとしよう」
「あ、そんな気を使ってもらわなくても」
「エレンの客人だ。何かあっては私が後で怒鳴られる」

 遠慮するフレイに意地の悪い笑みを浮かべて返し、フレイは苦笑してそれを受け入れた。エレンに礼を言って家を後にし、近くのタクシーを拾える場所までユーレクと一緒に歩いていく。そしてタクシーを拾って乗り移る際に、ユーレクは何かを思い出したかのような顔でフレイに二つ折りの手紙のようなものを渡してきた。

「これをキラ・ヒビキに渡しておいてくれ。どう使うかは彼の自由だ」
「ヒビキって、どうしてその名を?」

 キラの出生に関してはフレイも多少の事は聞かされている。それを知っているこの男は何者なのだという警戒がフレイの目に宿る。だが、フレイの警戒心など意に介さないかのようにユーレクはフレイから離れると、扉を閉めてやった。フレイは慌てて窓を開けて去っていこうとするユーレクを呼び止める。

「ま、待ってよ、どういう事、貴方キラを知ってるの!?」

 だが、フレイの声にユーレクは振り向きもしなかった。何も聞こえないかのように平然と歩き去ってしまう。それを見送ったフレイは不満そうに座席に腰を降ろすと、運転手に行き先を指示してユーレクが渡した手紙を開いて中に目を通した。あの男が何を伝えるつもりなのか、興味があったのだ。
 しかし、その内容を読み進めていったフレイはそれを折り畳むと、戸惑ったような顔で窓の外に視線を移した。

「……なんの冗談よ、これ?」

 そこに記されていたのはどこのゴシップ記事だと言いたくなる様な内容だった。ラクスに暗殺されたというパトリック・ザラはクルーゼに誘拐されてどこかに軟禁されているだの、真実を知りたければメンデルの闇とユーレンの研究を調べろだのと、訳の分からないことが幾つも書いてある。

「まさか、ね」

 窓から外の景色を見ながら、フレイはそれが冗談だと考えていた。幾らなんでもそんな、1国の代表者が人知れず粛清され、首を挿げ替えられるなどということが起きるはずがないではないか。だがどうしても完全に否定する事が出来ず、フレイは屋敷に帰るまでの間その事をずっと考え続けていた。


 フレイを乗せたタクシーが市街地に向かって走っていったのを見送ったユーレクは無精髭が目立ってきた顎を右手でさすり、いささか意地の悪い笑みを浮かべていた。その笑みはもしアスランたちが見ればこう思った事だろう。クルーゼにそっくりだと。





 ザフトの大攻勢の中、混乱する司令部でサザーランドが指揮系統を立て直し、状況の把握をしようとしていた。とにかく手当たり次第に収集させた情報を部下の参謀を使って整理させ、大体の状況を纏め上げる。それによって判明した事は、ザフトの突撃はアルビム連合によって食い止められており、致命的な被害までは受けていない事。そして現在はアークエンジェルを中心に統制を立て直した一部の部隊が反撃に出ている事である。

「ふむ、アルビム連合に借りが出来たというわけか」
「彼らも連合の一員です。そのように考える必要は無いのでは」
「いや、今回は彼らに我々の油断の尻拭いをさせたようなものだよ。まさか敵にここまでやる力が残っているとは思わなかった」

 ザフトにはもうオーブからうって出る力など残っていないと考えていたのだが、まさかこれだけの攻撃を実行できるほどの余力を残していたとは。全体から見れば致命的ではないとはいえ、沈められた艦艇や落とされた航空機、MSの数は馬鹿にできるものではない。
 整理された報告に目を通すサザーランドに、参謀たちは別のことを出してきた。マリューのことだ。

「あと、ラミアス中佐のことはどうなさいますか。越権が過ぎると思いますが?」
「この混乱だ、仕方があるまい。まあ司令部の目の前で指揮をしているのは問題だが、後で譴責でもしておけばよかろう」
「ですが、規律の問題もあります。このような事がたびたび起きれば混乱の元となります」
「その辺は中佐も分かっているさ。それに、責任を云々するなら監視網をこうも簡単に掻い潜られた基地守備隊と、それを承認した我々の方が重いぞ」

 前線部隊の独断を責める前に自分の責任を自覚しろというサザーランド。自分たちにも責任があると言われた参謀たちは互いに顔を見合わせており、そして一様に黙り込んでしまった。こんな所で責任を問われれば経歴に傷がつくことになるからだ。
 口を噤んでそれぞれの仕事に戻っていった部下たちを見て困ったものだと呟いたサザーランドは対処指示に奔走する司令部に背を向け、窓際に立つアズラエルの隣に立った。

「アズラエル様、このまま輸送艦が叩かれれば、上陸作戦に支障が出ます」
「分かってるけど、まあここの部隊が全滅してもまだトラックやダバオに居る予備を呼び寄せれば再建は可能さ。オーブ侵攻作戦は予定通り進むよ」
「ですが、ここの部隊が一番訓練度が高いのです。余り消耗しては後に差し支えますぞ」
「オーブを落とせば後は後はボロボロのカーペンタリアだけさ。何とかなるよ」

 それは間違ってはいない。カーペンタリア基地はオーブ本土決戦と同時期に大西洋連邦の機動部隊の攻撃を受け、壊滅させられているからだ。あれから多少の再建は行われただろうが、航空写真や現地の諜報員などからの情報では既に後方基地としての機能さえ維持できず、送られてくる傷病兵を収容するだけの施設と化しているらしい。どうやらビクトリアに逃がそうとしていたようだが、途中のインド洋航路はマダガスカル島の陥落で寸断されてしまい、集めた傷病兵はカーペンタリアから動かせずに居るらしい。治療が進んだ者はオーブから宇宙に上げられている様だが、重傷者は動かす事は出来ないだろう。防御施設の復旧はまるで進んでいないようなので、攻撃すれば容易く落とす事が出来るだろう。
 だが、そこまでは上機嫌だったアズラエルが、いきなり眉間に皺を刻んで真剣な顔つきになった。

「こちらで出てきた情報なのですが、気になる事があります。サザーランド君も知っているでしょう、第8艦隊がプラント奇襲作戦で撮影してきた謎の要塞のような施設の事を」
「はあ、ミラージュコロイドで偽装し、PS装甲で防御されていたという施設の事ですな。こちらでは移動式の新しい要塞ではないかと見ていますが」
「ええ、私もそう思っていたのですが、ちょっと嫌な事を思い出してしまったんですよ。私は前に、あれと関係した物を見たことがあるのです」
「どういう事です?」

 驚くサザーランドに、アズラエルは一枚の書類をサザーランドに手渡した。それに目を通したサザーランドは首を傾げ、これがどうしたのかと聞いてくる。

「何かの推進器のようですが、これが何か?」
「これは外宇宙用長距離推進ユニットです。問題は、これが外部からエネルギーを供給されて起動するレーザー推進器だという事です。これがあるという事は、当然レーザー発信器も存在する訳ですが、それの存在は記述に明記されていました」
「あれがそうだと言うのですか。ですが、それにしては余りにも大きすぎます。コロニー並のサイズですぞ」
「ええ、おそらく元々は別用途だったものを改造したのでしょう。私の所でその可能性を元に映像データから解析させたのですが、パラバラアンテナのような部分はレーザー発信部だと思われるのです」
「では、これは巨大なレーザー砲だと?」

 アズラエルの話に信じられないという顔で聞いていたサザーランドであったが、すぐに彼はその可能性を受け入れた。自分たちが月面の岩石打ち上げ用マスドライバーを軍用の質量弾射出機に転用して攻撃に使っているのだ。ザフトが大出力レーザー発信器を攻撃兵器に転用したとしても不思議は無い。
 だが、そうなるとプラント侵攻作戦は練り直す必要が出てくる。レーザーの威力は分からないが、この巨体を考えれば生半可なものではない事は確実だ。もしこれが完成すればプラントに辿りつくまでに発射され、甚大な被害を受けるかもしれない。いや、レーザーの射程と直進性を考えれば月面を狙ってくる可能性も否定しきれない。もし届くなら、自分が敵なら迷わずプトレマイオス基地を潰し、連合の宇宙における橋頭堡を潰すからだ。

「威力のほどが判明しないとなんとも言えませんが、最悪のケースを想定して準備しておいた方がよさそうですな」
「お願いしますよ。それと情報収集の強化の方も頼みます。余計な気遣いで済めばいいんですが」

 この手の悪い予感というものは当たるものだ。それを考えるとあらかじめ手を打っておくに越した事は無い。とりあえずこれから打つ手をあれこれ頭の中で考え出したサザーランドは、腕組みをしたまま自分の席へと戻っていった。
 アズラエルは隣から去っていったサザーランドの方は気にかけず、視線をまだ戦闘が続いている海岸へと向けた。先ほどよりは連合MSの数が増えてきたようだ。

「オーブの司令官はラウ・ル・クルーゼでしたか。小賢しい事をしてくれます。しかし……」

 アズラエルは右手にまだ持っている一枚の書類に目をやると、酷薄な笑みを浮かべた。それはカガリたちと冗談を言い合う変なおっさんではなく、キースが忌み嫌っていたブルーコスモスの総帥であるアズラエルの顔である。

「ラクスさん、貴女のくれた情報、中々役に立ちましたよ。出来ればもっと詳しいところまで教えて欲しかったですが、まあ仕方がありませんね」

 これが無ければあれはただの要塞と思い込むところだったのだ。まあこれまで散々支援してやったのだからアズラエルにしてみれば多少貸しを返してもらったという程度なのだが。




「うおおおおおおおおっ!!」

 空にアルフレットの雄叫びが轟き、クライシスのビームサーベルがジャスティスのシールドを打ち据える。アルフレットはミサイルパックは背負わず、アサルトパックを背負ったクライシスで攻めている。基本的に何でも屋のアルフレットは実はこの手の遠隔操作系兵器を嫌う。この手の兵器を使うとその操作にどうしても意識を向けないといけないので、目前の敵に対する集中力が散漫になるというのだ。こればかりは個々人のスタイルの問題なのだが、もったいない話である。アルフレットの空間認識能力はフラガに匹敵する程だというのに。
 だが、この際それはどうでも良かった。ミサイルなどジャスティスには決定打とはなりにくい武器であるから、むしろ汎用性に優れるアサルトパックの方が対ジャスティス戦には有効といえる。だが、それはそのままアンテラの苦戦を意味していた。アンテラもザフト屈指の実力を持つ桁違いのパイロットだが、目の前にいるのは連合最強の男なのだ。

「これが噂のクライシスですか。まさかこれほどとはっ!」

 空中でジャスティスと真っ向から力比べをするクライシス。ジャスティスを相手に力負けしないMSというのが既に脅威だが、このパイロットも尋常な腕ではない。コーディネイター顔負けの反応速度を持っているようで、自分の動きに付いてきている。おまけに動きが良く、先読みも正確だ。
 仕方なくタイミングを合わせて自分から引き、相手の体制を崩そうと試みる。それで一瞬クライシスは姿勢を前倒しにしたが、こちらがビームライフルを向けるより速く背負い式のリニアガンが砲弾を放ってきた。所詮短砲身砲なので威力は大したものではなくジャスティスの装甲を貫けるようなものではなかったが、それでもその衝撃はジャスティスを吹き飛ばす程度の威力がある。それでもアンテラはビームを3回発射し、1発が直撃コースを行ったのだがクライシスは既にその場から移動していた。
 それで一度距離が開いた事を利用し、アンテラはクライシスと距離をとった。接近戦で威力を発揮するジャスティスが距離をとるのは負けを認めるようなものだが、このクライシスが相手では体勢を立て直さなくてはどうにもならないと考えたのだ。

「機体性能……? いえ、あれは性能とか反応速度とか、そんなものではない。ただ、強いパイロットなのね」

 あの強さは機体性能だけではない、コーディネイターのような身体能力だけでもない、そんな表現など関係ない、絶対的な技量に裏打ちされた、本当に強いと表現するだけで足りるパイロットなのだ。こういうパイロットはアンテラの知る限りグリアノスだけなのだが、連合にもそういうパイロットが居たらしい。
 だが、負けるわけにはいかない。いやせめてもう少し引き付けるだけでも良い。何故なら、味方の機体の一部が輸送船団上空に達したからだ。彼らが暴れまわって離脱してくるまで、ここでこのクライシスを止めていれば良い。
 しかし、それを考えてアンテラは首を横に振った。その整った顔には苦笑いが浮かんでいる。

「ふふ、こんな消極的ではいけないわね。落とす気で行かないと、こちらが殺られるわ」

 いつの間にか弱気になっていた自分に気付いてアンテラは、気を取り直すと両肩のビームキャノンを発射した。勿論それで当たるとは思っていないが、相手に回避を強要して一瞬の隙を作れると考えたのだ。発射と同時に機体をダッシュさせ、クライシスに向かう。そしてクライシスは案の定それを急降下で回避した。その降下予想位置めがけてビームライフルを3回発射し、動きを封じに出る。だが、クライシスはそのビーム攻撃をシールドで受け止め、1発は胴体で受けてしまった。その途端機体から白い煙が噴出し、それが晴れると何も無かったかのように元気なクライシスが姿を現す。このMSの対ビーム防御力はアスランの報告で知っていたが、いざ見せられると驚きを隠せなかった。
 そしてクライシスを駆るアルフレットも正直舌を巻いていた。前に戦ったシグーの改良型も強かったが、このジャスティスも恐ろしい強さだ。前にポートモレスビーで戦ったジャスティスより凄腕が操っているらしい。

「やれやれだぜ、ザフトにもまだまだ凄腕が残ってるじゃねえか。俺は楽な方が良いってのによ」

 アルフレットはパイロットにありがちな軍事ロマンチズムとは全く無縁の男で、強い適とぶつかるのは面倒だ、弱い相手のほうが楽で良いと考えている。その彼の考え方からすればアンテラは厄介な相手でしかない。
 だが振り切ることも出来そうに無い。気は進まないが、こいつを落とさないと他の機の援護には回れそうも無かった。

「たく、ついてねえなあ。援護も無しかよ」

 やれやれと首を回して、アルフレットはクライシスを加速させた。アサルトパックの機動性はエールパックを超える凄さで、クライシスはたちまちジャスティスと距離を詰めていく。その速さは中々のもので、ジャスティスを使うアンテラが速いと感じるほどであった。そしてアンテラが放ったビームキャノンの砲撃を身を捻って回避し、距離を詰めながらビームライフルを放った。



 そして同じ空域ではクルーゼのゲイツとフラガのクライシスが激突していたが、これは
機体性能の差でクルーゼのほうが不利であった。これまでの幾度に渡る戦いの中で、フラガはオーブ戦に続いてクルーゼに勝る条件で勝負に望めたのだ。

「久しぶりだ、ムウ・ラ・フラガ!」
「クルーゼ、またお前か!」

 通信を繋がずとも通じ合う2人は互いの正体をすぐに察してしまう。クルーゼはクライシスにビームライフルを向けるが、下駄履きのゲイツと自由飛行できるクライシスでは機動性に差がありすぎ、ビームライフルを向けるのが間に合わない。その速さにクルーゼは正直舌を巻いていた。

「相変わらず速いな、ゲイツでは不利か」

 当たるとは思えなかった牽制で2度ビームを放ち、それを難なく回避するクライシスにスに舌打ちする。残念だが地上では自由飛行できるクライシスと下駄履きのゲイツでは話にならない。ゲイツの隠し装備であるエクステンショナル・アレスターも地上では流石に使えないのだ。残念ながらクルーゼの機体はR型への改修を受けていない、ただの指揮官用である。
 大きな不利を抱え込んだクルーゼは仕方なく周囲の味方を呼び集めた。残念だが一対一では勝てそうもないと認めたのだ。勿論それは屈辱を伴うものであり、クルーゼは憤怒の形相を浮かべている。

「私がムウに遅れを取らねばならんとは……」

 その出自の秘密からムウにだけは負けられないクルーゼである。その執念はもう憎悪さえ伴っているほどで、周囲から味方機が駆けつけてくるのを見てますますそれは深くなっている。
 だが、その憤怒はすぐに消え去ってしまう。クライシスはクルーゼの想像を超える武器を持ち出したのだ。フラガは集まってきたジンやゲイツの群れを見て、背負ってきたミサイルパックから脳波コントロールのミサイルを発射し、群がるMSの掃除にでた。NJ影響下にあって現用では唯一効果的な中距離誘導システムによって制御されたミサイルは1機辺り3発が狙い、緩いカーブを描きながら次々に迫るMSを撃ち落していった。狙われたMSもまさかこの状況下で正確にホーミングする中距離ミサイルがあるとは思わず、油断していたところを次々に仕留められていく。運か実力か第1撃を回避、または防ぐ事が出来た機体は慌てて接近をやめ、慎重に動き出した
 クルーゼにも3発が襲い掛かってきたが、彼は2発をビームライフルで撃ち落し、1発はシールドで受け止めた。そしてクルーゼはそれを見て、その正体をすぐに察する事が出来た。あれはザフトでもまだ開発中の装備と同じだと分かったのだ。

「ドラグーンシステムと同様の量子通信兵器か。連合の技術がそこまで進んでいたとはな」

 だが、考えてみれば当然だ。ザフトで試作中のドラグーンも元々の技術は東アジア共和国から入手したものであり、それを連合が既に実用化していたとしても別に不思議ではない。元々ガンバレルなどを実戦に投入していたのだから、その分野ではザフトより一日の長があるのだから。
 部下たちが的になっているうちに距離をとったクルーゼは、あんな武器があっては近づけないと判断して退くことにした。フラガとの決着は別にここでつける必要は無いのだから、部下に後を任せて指揮に戻ることにした。





 フラガやアルフレット、そして大量のストライクダガーに少数のダガーLや105ダガーの投入で戦局は完全にひっくり返った。ザフトはどんどん増えていく連合MSに押し返されるようになり、これ以上の戦闘継続が困難になろうとしている。そんな中で頑張っているのがグリアノスとジュディに率いられた少数のMS隊だった。彼らは何とか脱出中の輸送船団の上空に辿りつき、これに手当たり次第に攻撃を加えていた。ただ反復攻撃はせず、そのまま上空を駆け抜けようとしているが。
 ジュディとグリアノスは一撃だけに留めるつもりでいた。2度、3度と繰り返せば包囲されて帰れなくなってしまう。連合に大損害を与えるのは願ってもないが、こちらが大損害を受けては意味が無くなる。
 ジュディのゲイツR、グリアノスのシグー3型を中心に突入したジンやゲイツ、M1はあるだけの装備を撃ちまくりながら通り魔のように上空を駆け抜け、そのまま反対側に抜けようとしていた。

「グリアノス、このまま戦場を抜けるよ!」
「ああ、後は潜水母艦との合流ポイントに向かうぞ。クルーゼの命令は果たしたからな」

 元々台湾戦で2人の部隊は戦力を使い果たしていた。それがクルーゼの命令で無理やり同行させられ、こんな無茶な作戦に従軍させられたのだ。その経緯を考えれば2人が無理を押してまで戦果を拡大しようと考えないのも分からないではないだろうが、ザフト全体としてみれば惜しい事をしたかもしれない。
 ただ、2人の部隊の攻撃を受けて次々に艦船が被弾して炎上していくが、流石にまだ出撃準備中ではなかったために空船が多く、残念ながら物資を焼き払う事は出来そうも無かった。それを上空に駆け上がって確かめたグリアノスはいささか残念そうな声を出している。

「ふむ、沈めた船はそれなりだが、やはり空船ばかりか。この程度では大した打撃ではあるまいな」
「グリアノス、戦闘機隊が出てきたよ

「そのようだな、流石に黙って返してはくれんか」

 輸送艦を叩かれて怒っているだろう戦闘機隊を見て、ジュディとグリアノスはさっさとこの場から逃げる事にした。もうクルーゼの命令への義理は果たしたと判断したのだ。だがMSと戦闘機では速度に差がありすぎ、彼らは追いつかれてしばし熾烈な空中戦を戦う羽目になってしまった。




 湾後部ではアスランがキラとシンを相手に苦戦を強いられていた。もっぱらシンがアスランと切り結び、キラが動き回りながらアスランに嫌がらせの攻撃を加えるという形になっている。
 だがキラは所詮ダガーLであり、シンはまだ未熟者なのでアスランの方が有利かと思われたこの戦いは、アスランが苦戦するという予想外の事態を迎えている。その原因はジャスティスとヴァンガードの相性の悪さにあった。ジャスティスにはヴァンガードの突撃槍を受け止める手段は無いという事が殊更にアスランを苦しめている。
接近戦では苦しいと考えたアスランは背負い式のビームキャノン2門を発射して牽制しようとしたが、それは何とアスランの見ている前であらぬ方向へと捻じ曲がり、ヴァンガードには傷1つつけることが無かった。これには流石のアスランも唖然とし、そしてふざけるなと怒鳴った。

「ちょっと待て、何だそれは。ビームが曲がるって卑怯だぞ!」

 どうやら強力な対ビーム防御を施してあるらしい。フォビドゥン型のMSがこのような装備を施している事はザフトでも知られているが、それを他のMSでも採用したという事だろうか。だとすればかなり厄介な装備だ。
 そしてビームが効かない事に気を大きくしたシンは勢いのままに攻勢を強めた。相手の攻撃は効かないのに自分の攻撃は効くというこの卑怯な状況はシンに絶対的な優位をもたらしている。まあ装備を見れば対ジャスティス用なのは明らかであり、そんなものとぶつかったアスランが不利を強いられるのも当然なのだが。
 だが、磁場か何かでビームを捻じ曲げるとはいっても、限界はあると考えたアスランはビームブーメランを使おうと考えたが、それは別方向からの攻撃に邪魔されてしまう。ちょこまかと駆け回るダガーLがビームを発射してくるのだ。しかもそれはキラが使っているからアスランの気を苛立たせている。

「キラ、さっきから邪魔ばかり、いい加減にしろ!」
「戦闘中に嫌がらせをして何が悪いのさ、アスラン!」
「何て奴だ、相変わらず性根が腐ってるようだな!」
「君みたいな粘着男に言われたくない!」
「誰が粘着男だ誰が!」
「ヘリオポリスから延々と世界中でストーカー紛いの粘着してたじゃないか。アークエンジェルじゃ君らが来るたびに皆うんざりしてたんだぞ!」
「それはお前らが逃げるからだろうが、この卑怯者!」
「何時もボロ負けで尻尾巻いて逃げ帰ってたのはそっちじゃないか!」
「なんだと、もう一度言ってみろ!」
「なんだよお!」

 なにやらオープン回線で口喧嘩を始めた2人。そのマシンガンのように繰り出される罵声の応酬を聞いていたシンはなんだか手を出すタイミングを失ってしまい、急激にやる気を無くしていた。何と言うか、自分の目の前でザフトとオーブのエースが漫才紛いの喧嘩を繰り広げているのだから、そりゃやる気も無くすだろう。

「なんだ、相手の奴もキラさんと似た様な奴なのか?」

 呆れた顔でなんだかやる気の無さそうな声を出すシン。だが目の前で行われている戦いはまさに人外魔境のレベルで、キラはダガーLでジャスティスのビームを回避し、ビームサーベルの斬撃やシールドチャージを受け止め、あるいは回避している。つけているエールパックの性能がもう少しよければもっと良い勝負が出来るかもしれない。だが、操っているキラには余裕などまるで無かった。喧嘩をしている口とは裏腹に内心ではかなり焦っている。パワーと機体強度の差が大きすぎて攻撃を受け止めるたび過負荷に関節が悲鳴を上げ、警報が鳴り響く。
 対するジャスティスは少々手を焼いていたが、それほど焦ってもいなかった。ダガーLは確かに良いMSで、ゲイツと比較しても同等かそれ以上の性能はあるだろう。だがジャスティスと比べれば流石に差がありすぎる。キラとアスランの腕が同レベルなら機体性能の差は決定的な差になるのだ。
 ジャスティスの振るうビームサーベルの斬り返しが徐々にダガーLのシールドの動きを上回り、止められない一撃が機体の装甲を抉り出す。ビームサーベルの粒子が機体を焼く衝撃を感じる度、キラの額に冷や汗が浮かんでいく。いつの間にか罵倒の応酬は止み、キラは必死になってアスランの攻撃を防ぐ事に集中していた。

「どうしたキラ、今日は随分と動きが悪いじゃないか?」
「こ、この……」
「こっちも忙しいんだ、ここでケリをつけさせてもらうぞ!」

 ジャスティスが振るったビームサーベルをキラがシールドで受け止めるが、その直後にそのシールドにかかっていた圧力が抜け、シールドが叩き付けられてくる。その衝撃を受けきれずに機体が弾き飛ばされ、路上に叩きつけられた。ジャスティスは片腕でMSを弾き飛ばし、宙に舞わせるパワーがあるのだ。
 弾き飛ばされたダガーLのコクピットの中でキラは目を回しかけていたが、何とか気を持ち直すと機体を立て直そうとした。だが残念ながら返ってくるのは異常警報ばかりであり、起き上がることさえ出来そうも無い有様だった。

 そしてアスランはキラに止めを刺そうとビームライフルを向けようとしたが、それより速くヴァンガードが射線上に割り込んできてキラを庇ってしまった。そのヴァンガードに邪魔者を見る目を向けたアスランだったが、こいつを相手には決定打を持たない現実があるのでどうしようもなかったりする。ジャスティスにはフリーダムとは異なり、実体弾砲は頭部バルカンくらいしかないのだ。

「くそっ、またお前か!」
「選手交代、ここからは俺が相手だ、赤いの。ステラを苛めた分と、ついでにキラさんをぼこぼこにした分まで纏めて取り立ててやる!」

 槍を手に突っ込んでくるヴァンガードに、アスランは慌てて機体を下がらせて槍の柄をビームサーベルで斬ろうとした。オリオンにはこれで対処できたのだ。だが、ヴァンガードの槍はビームサーベルを受けた所に火花が散るだけで切断できなかったのだ。

「斬れないだと、対ビームコーティングか!?」

 どうやら大西洋連邦はオリオンの弱点をあらかじめ潰していたらしい。台湾では柄を斬る事でこの槍を潰す事が出来たのだが、柄に対ビームコーティングを施されているとなると本当に相手が出来なくなる。勿論何時までも持つ訳ではないだろうから、暫くビームを当て続けていればいずれ溶断出来るはずだ。だがそれをさせてくれる馬鹿な敵はいないだろう。
 目論見が外れたアスランは更に機体を下がらせようとしたがそれを見たシンはシールドを槍と合体させた、このMSの最大の特徴であるチャージモードを起動させた。リミッターをかけられた事でその加速性能は低下しているが、それでもまだMS離れした加速性能を有する。そのチャージは離れようとしたジャスティスとの距離を一瞬で詰めてしまうものだった。

「そんな、ジャスティスに追いつけるのか!?」

ジャスティスに瞬く間に追いついたヴァンガードを驚きの目で見たアスランだったが、それでも体はとっさに反応した。まず両肩のビームキャノンを至近から発射した。幾らバリアというソフトキル防御があるとはいえこの距離で撃てば出力勝負で撃ち抜けるかもと思ったのだ。だが、ヴァンガードの正面から撃ち込んだビームはバリアと槍と一体化したシールドによって完全に防がれてしまった。ヴァンガードはそのコンセプトから突撃時における正面防御は完璧といえるレベルなのだ。
仕方なくシールドで槍を止めようと其方に向ける。しかし、そのままシールドをジョイントから引き千切られて飛ばされてしまった。どうやら槍がシールドを貫通し左腕の装甲まで達していたらしい。
 シールドを失ったアスランは慌てて機体を上昇させた。このまま地上で白兵戦をすれば確実に自分が負けると判断したのだ。

「くっ……あれの相手はフリーダムでないと無理か。でなければ高周波ブレードを防げる装備を持ってこないと」

 両肩のビームキャノンとビームライフルでヴァンガードを撃ちまくり、ヴァンガードを地上に足止めし、その隙に脱出するアスラン。残念だが倉庫を潰すのは諦めるしかないようだ。
 シンは出鱈目なビームの乱射にシールドを前に向けて防御姿勢で必死に耐えていた。対ビーム防御力では最高の機体ではあるが、それでも死角が無い訳ではない。もし死角にビームが入れば流石に危ないのだ。こういう時に牽制に撃ち返す事が出来ないのがヴァンガードの弱点だろう。
 ジャスティスが逃げていったのを見たシンはそれ以上追撃をかけようとはしなかった。すでに湾岸の戦いは終息に向かっており、戦いが終わった事が明らかだったからだ。仕方がないので動けなくなっているキラのダガーLを回収する事にし、転がっているダガーLへと近づいていった。

「キラさ〜ん、大丈夫っすか?」
「何とか生きてるよ。ジャスティスは?」
「逃げてきました。戦闘も終わりそうです」
「そうか……」

 シンの話を聞いたキラはコクピットハッチを手動で開けて外に出ると、自分が使っていたダガーLを見やった。

「次はフリーダムで相手をしないと。今度は負けないよ、アスラン」





 アスランたちの後退で戦況は完全に連合に傾いた。クルーゼたちはまだ頑張っていたのだが、アスランたちが退いた事で退路を断たれる危険が出てきたのだ。

「ええい、アスランめ。命令を待たずに逃げ出したか!」
「クルーゼ隊長、敵が回りこんできます。洋上艦隊も反撃に出てきます!」
「分かっている、こちらも撤退だ!」

 包囲されかけて部下が悲鳴のような声を上げるのを聞いたクルーゼは忌々しそうに撤退を命じ、自らも撤退を開始した。ライフル下部のランチャーから信号弾を打ち上げ、全部隊に撤退を指示する。
 それを見たザフトのMS隊は撤退を開始し、アンテラも味方の最後尾を守りながら後退していく。だが、アルフレットの追撃を受けていたのでアンテラといえども振り切るのは中々大変だった。
 食い下がってくるクライシスを砲撃で牽制しながらアンテラは周囲にまだ残っている味方はいないかと確かめていた。動けない機体は仕方がないが、動ける味方が逃げ回っていうるなら援護しなくてはいけない。
 索敵機器を操作して周囲へのスキャンを続けたアンテラは、動く味方機の反応が見つからないのを確かめて引き上げを決めた。

 だが、退こうとしてもそう簡単ではない。アルフレットはアンテラのビーム攻撃を回避しながら時折ビームライフルで反撃し、距離を詰めて格闘戦を仕掛けてくる。アンテラはそれに応戦しながら距離をとろうとしていたが、そこに更に厄介な敵が加わってきた。いきなり下方から砲撃が飛来し、ジャスティスの周辺を貫いていく。いつの間にかカラミティがホバーで来ていたのだ。

「どうしたおっさん、梃子摺ってるじゃねえか!?」
「オルガか、良い所に来た、手伝え!」
「もうやってるよ!」

 正面からはクライシス、下方からはカラミティの攻撃を受けたアンテラのジャスティスは逃げる事も出来なくなり、ひたすら回避を繰り返している。もう生き残るのに必死という状況に追い込まれたアンテラは、更に海上にマローダーが、空中にはダガーが集まってくるのを見て背筋が凍りついてしまった。これでは逃げる事も出来ない。

「……ここまで、かしらね?」

 流石に覚悟を決めるしかないか。そう思ったアンテラだったが、そこに同じように遅れていたアスランのジャスティスが突っ込んできた。洋上をホバーで動いていたマローダーにビームキャノンを放って撃破し、更にカラミティと他のマローダーを追い散らす。

「アンテラさん、急降下して海中に逃げてください!」
「アスラン、来てくれたの!?」
「急いで!」

 アスランのジャスティスが海面を一時的に制圧し、アンテラが機体を翻して急降下する。海に潜れば海上からの攻撃は大きく威力を減じ、ジャスティスの脅威ではなくなる。僅かに海中のディープフォビドゥンが怖いくらいだが、このまま空中の包囲を突破するよりは楽だろう。
 海に潜って逃げていった2機のジャスティスに対して空軍機がありったけの爆弾をばら撒いて追撃をかけたが、アルフレットがそれを止めさせた。後は海軍の対潜攻撃とディープフォビドゥン隊に任せるしかない。自分たちの戦いは終わったのだ。残存のMS隊には基地施設の残骸の除去と救助活動への協力を命令し、自らは機体を湾口部に着陸させてコクピットから降り、そこで大量に擱座しているロングダガー隊の残骸を見た。

「無理しすぎだ、馬鹿野郎どもが」

 アルビム連合にはアルビム連合なりの事情があるのは分かるが、こんな無茶をして大量の死者を出せば、残されたアルビム連合の運営にも支障が出るだろうに。彼らは決して数が多いわけではないから、こんな消耗を繰り返せばすぐに戦える人間が枯渇してしまいかねない。
 これまでアルビム連合を交えた訓練や作戦計画を練った事は無かったが、これからはアルビム連合も考慮するよう上層部に進言しようとアルフレットは考えていた。その自殺的な戦い方はともかく、ここまで戦えるのなら一翼を任せることが出来る。
 だが、その前にしなくてはいけない事があった。その為にアルフレットは降りてきたのだ。戦場では当然ながら味方の負傷者だけではなく、撃墜した敵機の生存者もいる。これの捕虜を確保し、憲兵に引き渡して情報を引ださないといけないのだが、兵士の質が低下している昨今では捕虜を取らずに殺害する事例が増えている。これを防ぐのも最近では仕官の仕事となっているのだ。
 そして案の定撃墜機から脱出したパイロットを捕らえてリンチにかけている現場を見つけたアルフレットは、腕捲りをして大声を上げ、それを止めに入った。




 ザフトのラバウル奇襲は連合に多少の被害を与えたものの、致命傷を与えるほどでは無かった。戦闘艦の被害こそ大きかったものの輸送艦や揚陸艦の被害は少なく、集積された物資の被害も許容範囲に収まっている。焼き払われた物資はザフトから見れば膨大な量であったが、連合軍から見れば微々たるものであった。クルーゼの立案した奇襲作戦は連合軍に精神的な衝撃を与える効果はあったが、実質的には失敗に終わったといえる。むしろ奇襲に参加した部隊の3割強が未帰還となった為、オーブの防衛さえ覚束なくなったことの方が問題かもしれなかった。
 この奇襲を受けてグリーンランドの連合軍総司令部では作戦の中止か継続かで話し合いがもたれたが、これは継続で決定している。ただ、損害を埋めるためにトラックから追加の部隊を繰り出し、これと合流次第オーブに突入するという段取りに変更されたが。

 この変更により、オーブのザフトの命運は決した。守備隊をいたずらに消耗したザフトには連合を食い止める戦力など無いのだ。だがクルーゼも連合の出方は読めていたようで、彼はオーブに戻るなりもう1つの計画を発動させた。そう、在オーブ戦力を全て宇宙に脱出させる作戦を発動させたのだ。





後書き

ジム改 結局連合軍は大した打撃を受けなかったのでした。
カガリ つまり、無駄な努力だったのか?
ジム改 そうともいえない。タケミカヅチが脱落したし、他の洋上艦艇の被害もでかい。
カガリ それだあああ、私の旗艦はどうなるんだよお!
ジム改 大丈夫だ、それなりのことは考えてある。
カガリ 本当だな、本当に新しい船があるんだな!?
ジム改 うむ、その名もグレートカガリ級だ!
カガリ 何だその痛すぎる名前はあ!?
ジム改 駄目か?
カガリ 駄目に決まってるだろ、もっと普通の名前にしろ。
ジム改 そうか、ではもう少し穏便な名前の艦にしよう。
カガリ ところで、ひとつ聞きたいことがあるんだが。
ジム改 何かね、カガリ君?
カガリ 前にシンとステラがタイタニックやってたけど、まさかあのせいで座礁したんじゃないよな?
ジム改 …………。
カガリ おい?
ジム改 そ、それでは次回、地球からの撤退を決意したクルーゼだったが、連合軍はザフトの撤退の時間をくれそうもなかった。その時間を稼ぐため、アスランが停戦交渉の使者を押し付けられて連合軍の元を訪れる事に。次回「再会は突然に」でお会いしましょう!
カガリ ああこら、逃げるな、ちゃんと答えろぉ!

 

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