26章  戦う意味とは

 


 ヨーロッパを離れたアークエンジェルだったが、それで戦いから離れられる訳ではなかった。なにせアークエンジェルは目立つ。更にその実力と味方の受けた被害が伝わった事でザフトの各部隊が手柄目当てに襲ってくることも珍しくはない。多分にクルーゼ隊の鼻をあかしてやりたいという思惑もある。つまり、クルーゼは味方である筈のザフト部隊からさえも余り好感を持たれてはいないのだ。エリートである赤服パイロットを手元に集中させていることも嫌われる原因ではある。
 キラとフレイも幾度も出撃を重ね、スコアを重ね続けている。キラの強さは相変わらずだが、フレイの実力の向上振りには目覚しいものがあった。特に反応の良さと射撃の勘の良さは際立っている。教官役を務めているキースとフラガは、ひょっとして自分たちより強いんじゃないのかという悪寒を覚えていた。
 だが、戦うほど、強くなるほどフレイは自分が怖くなってもいた。徐々に強くなってくる謎の第6感とでも言うしかない感覚。何故か伝わってくる相手の強い意思。戦場に満ちる殺意と憎悪を、我が身に襲いかかる死の気配を感じる度、フレイの弱い心は恐怖に打ち震えてしまう。
 だが、これを相談できる相手もいない。キースもマリュ−もナタルもそんなものを感じたことはないと言うし、フラガは何も答えてはくれなかった。一体この感覚はなんなのだろうか。
 この感覚のおかげでこれまで生き残れたのだということは分かっている。だが、気味が悪くて仕方がない。こんな妙な力なんて欲しくはない。他人の心など分からない方が良い。知らない方が良いことが世の中にはあるのだ。
 だが、伝わって来てしまう。敵対するパイロットの自分に向ける恐れ、憎しみ、死ぬ時の恐怖、そのような感情が稀に伝わってきて、自分に強い不快感を与えるのだ。

「なんで、こんな力があるのよ。知りたくなんかないのに・・・・・・」

 自らに備わる良く分からない能力。制御できる訳ではない。感じたく無いからといってシャットアウトできる訳でもない。こちらの意思を相手に伝えられる訳でも無いようだから、小説とかに出てくる超能力の類でもないらしい。
 なんと便利で、不便な力だろうか。制御できない力など無いも同じだ。他の誰にもない力というのが、持ってみるとこれほど忌々しく思えるとは。
 キラとは異なるが、彼の感じていた孤独感が何となく実感として理解できる。人と違う力なんて欲しくはない。他者と違うなんて嬉しくも何ともない。こういう力を持って悦に浸れるのは、余程の見栄っ張りか、傲岸不遜な人物なのだろう。

 

 

 いつまで続くのかと思える襲撃される毎日。だが、今日はいささか様子が違った。味方の救援要請を受けたのだ。受け取ったマリュ−はどうしたものかと艦橋に来ているフラガとキースに問い掛ける。

「どうしましょうか、少し進路からずれていますが?」
「どうしましょうって言われてもな。状況も敵の規模も分からないし」

 フラガは困った顔で首を捻る。キースもフラガに同感だとばかりに頷いた。下手をすれば敵の罠かもしれないのだ。そんな所にのこのこ出向いて、敵に包囲されたらどうするのだ。
 だが、意外な事にナタルがフラガに反論した。

「ですが、もし本当に味方が救援を求めているのだとしたら、どうします?」
「・・・・・・そりゃあ、助けに行かんといかんだろうけど」

 フラガは気乗りしないようだ。マリュ−もどうしたものかと俯いている。ナタルはそんな2人を見た後、視線をキースに転じた。視線を向けられたキースはギクリという感じで顔を引き攣らせる。

「・・・・・・もしかして、俺に見て来いと仰るので?」
「お願いします、大尉。デュエルを追わせますから」
「はあ、分かりましたよ」

 最近手綱を握られてる気がしつつ、キースはとぼとぼとスカイグラスパーに乗るべく格納庫へと向った。それを見送るフラガの目には同情の色がある。
 そして、部屋で休んでいたフレイにも出撃命令が出された。急いでパイロットスーツに着替えて格納庫に来ると、キースがスカイグラスパーの傍で待っていた。

「フレイ、俺は先に出るから、後から追って来い」
「な、なんで私まで?」
「もしもの保険さ。俺が救援要請を受けた場所に行ってみて、何も無ければそれで引き返せば良い。もし本当に味方がいたら、暫くフレイが支えるんだ」
「そ、そんな無茶な・・・・・・・」

 フレイはキースの命令に途方に暮れてしまった。まさか、最悪デュエル1機で敵部隊を相手取らないといけないのだろうか。
 出撃して行くキースのスカイグラスパー。そしてフレイもデュエルに乗り込んだ。整備兵に装備を指示する。

「ビームライフルと、あとバズーカをお願い。長期戦を覚悟しないといけないかもしれないですから」
「分かった。あんまり無理するなよ」
「そうね、出来ればそうします」

 何となく無理をしなくてはいけない気がするフレイは、整備兵の忠告にいささか困った顔で答えた。そしてハッチを閉じ、機体をカタパルトに誘導する。ふとモニターを確認すれば、キャットウォークにトールとキラ、カガリの姿があった。どうやらキラの事は2人がフォローしてくれているらしいと思い、僅かに安心した。
 カタパルトに来ると、ミリアリアがモニターに出た。

「デュエル、発進、どうぞ」
「・・・・・・デュエル、出ます」

 ミリアリアの冷たい声にフレイは一瞬返答に詰まるが、直に事務的に返して機体を発進させた。何時頃からだったろうか、彼女との通信がこうも辛くなったのは。私には相談出来る人がいる。1人じゃないということはとても嬉しいけど、もうヘリオポリスからの仲間達の元に戻る事は出来ないんだと思うと、どうしても辛くなってしまう。
 
 アークエンジェルを出てキースの後を追って行くデュエルの中で、フレイは考えをめぐらせた。キラと距離をとる事でフレイは自分のポジションというものが理解できている。自分と昔の関係を繋ぐものは今ではパイロット繋がりのあるトールだけになってしまった。ミリアリアもサイも、カズィも自分を疎ましく思っているようだし、キラは自分を憎んでいるだろう。
 自分自身の醜さも良く分かっている。人を利用して復讐を果たそうとしたのだから、見限られて当然なのだ。今の自分に出来る事は、キラの変わりに戦って戦って、そして彼の負担を少しでも減らす事しかない。

 


 出撃したキースは、廃墟となった街の上空に出た。通信を送ってきたと思われる辺りで旋回し、地上の様子を確かめた。戦闘のあったような跡は見られるが、味方部隊の姿は無い。やはり騙されたのかと思ったのだが、暫くすると廃墟らしきビルの屋上に連合の野戦服を着た兵士が3人ばかり出てきて、こちらに手を振り出した。どうやら本当に味方がいるらしい。
 キースは通信機を操作してアークエンジェルを呼び出した。

「こちらキース。味方の部隊を見つけたぞ。どうやら本当だったらしい。フレイを急がせてくれ」
「了解、アークエンジェルもそちらに向います」
「俺はフレイが来るまでここで旋回してるから」

 そこで通信を打ちきると、キースは今度は地上からの通信を待つ事にした。なにしろこちらは向こうの周波数が分からない。暫く旋回していると、雑音混じりの通信が入ってきた。

「こちら、ユーラシア連邦所属、第34師団所属、第11連隊第2機械化中隊です。そちらの所属を教えていただきたい」
「こちら大西洋連邦所属、第8艦隊所属艦アークエンジェル所属機のパイロット、キーエンス・バゥアー大尉だ」
「ア、 アークエンジェル隊、あのカスタフ作戦でザフトを蹴散らした最強部隊ですか!?」
「・・・・・・なんだ、その最強部隊ってのは?」

 キースは呆れた声で問いかけた。そして、返って来た答えを聞き、押し寄せる偏頭痛に顔を顰めたのである。どうやらヨーロッパ方面軍は全軍の士気を高める為、自分達の戦果を誇大に発表したらしい。なんでも自分達の活躍を使った戦意高揚ニュースまでが流されたそうだ。まあ分からないでもないが、自分としてはこういう事に利用して欲しくは無い。多分やったのはサザーランドだろうが。

 ほどなくしてフレイのデュエルが来たのを見たキースは旋回を止めてアークエンジェルの方に帰還していった。変わりにやってきたフレイは、デュエルを指定されたビルの傍にかがませて止めると、機体を降りてビルから出てきた兵士に挨拶した。

「救援要請を受けてやってきました。フレイ・アルスター准尉です」
「真紅の戦乙女の噂は伺っている。中隊長を務めているギリアン・クリスピー大尉だ。良く来てくれた」

 精悍な黒人であるクリスピー大尉の顔には深い疲労と、安堵の色がある。一体どういう戦いをしてきたのだろうか。その答えは、ビルの中にあった。
 うち捨てられたビルの中に、寄り添って体を休めている難民達がいる。その数は400人はいるだろう。この中隊、いや、実際には小隊規模の数も残ってないのだが、は連れて逃げてきたのだろうか。

「大尉、この人達は?」
「この先の街の住人だ。ザフトに襲われてな、我々が保護できた住人はこれだけだった」
「じゃあ、他の人達は」

 フレイの問い掛けに、クリスピー大尉は力無く首を横に振った。皆殺しにされたのか、他の部隊とともに脱出したのかは分からないのだろう。それを聞いたフレイもまた胸を締め付けられるような息苦しさを感じてしまった。ブカレストの街での体験から、フレイは民間人を巻き込んだ戦闘がどれほど悲惨なものかを理解している。あの体験がトラウマとなっているフレイには、市街戦そのものがすでに許し難いものなのだ。

「・・・・・・この人達を、どこに連れて行くんですか?」
「言い難いのだが、アークエンジェルで近くの友軍基地まで運んで欲しいと思っている。彼らには不自由な思いをさせるだろうが、それが1番安全だろうからな。それに、これ以上の移動は彼らの体力が持たないだろう」

 そういってクリスピー大尉は民間人の方を顎でしゃくる。確かに彼らは疲れ切っている。中には赤ん坊を抱いた女性までいるではないか。これでは確かに味方の勢力圏まで辿り着くのは難しいだろう。
 フレイは小さく頷くと、クリスピー大尉を見た。

「大尉、アークエンジェルにこの人たちを収容してもらえるよう、私が頼んで見ます」
「そうか、助かるよ」

 クリスピー大尉は安堵の溜息を漏らした。だが、まだアークエンジェルが来るまでには暫くある。その間に敵が来たらどうすれば良いのか。自分はデュエルがあるから問題ないが、デュエル1機でどうにか出来るという保証も無い。それでも戦うしかないだろう。

「私はデュエルの近くで待機しています。何時敵が来るか分かりませんから」
「ああ、頼むよ」

 フレイは大尉から離れてデュエルの傍まで来た。もう愛機と呼べるほどの戦闘を経験しており、このデュエルには愛着さえ感じている。もしこのデュエルが無ければ自分は生き残れなかっただろうし。
 フレイはのんびりとデュエルの装甲板に持たれかかって空を見上げていた。彼女はこの地球の景色が、吹きつける風が、自然の変化が好きだった。確かにコロニーは住み易い。だが、なんだか違和感があるのだ。作られた環境が生み出す快適な居住空間。それはそれで良いものだったが、自分はこっちのほうが良い。
 緑の香りを風が乗せてくる。その風に髪をなびかせる感触を楽しんでいたら、ビルの中から子供たちが恐る恐る出てきた。そして自分を見るととてとてと駆け寄ってくる。

「お姉ちゃん、お姉ちゃんがこれに乗ってるの?」
「えっ。ええ、そうだけど」
「すっげえ、これってMSだよね?」
「そうよ。ナチュラルでも乗れるMSなの」

 フレイはデュエルを紹介してあげた。ビームライフル、シールド、バズーカ。全てがザフトと戦う為の強力な武器だ。子供達はこの珍しい兵器に興味津々らしく、目を輝かせて聞き入っている。
 だが、説明を聞いた子供の1人が漏らした言葉に、フレイは衝撃を受けてしまった。

「凄いなあ、僕も大きくなったらこんなMSに乗ってザフトをやっつけてやるんだ!」
「君は、軍に入りたいの?」
「うん、MSに乗って、父さんと母さんの敵を取るんだ!」
「そうだよね、俺だって戦うんだ!」

 口々にザフトへの敵意を見せる子供達に、フレイは自分の姿を重ねてしまう。この子達も戦争で親を無くしたのだろう。その姿に悲しさを覚えたフレイは、自分の問いに答えた子供をそっと抱きしめた。

「大丈夫だから。あなた達が戦わなくても、私たちがきっとこの戦争を終わらせるから。あなた達を守るから」
「お、お姉ちゃん?」
「だから、敵討ちよりも先に、あなた達がちゃんと生き残ってね」

 これがフレイの偽らざる気持ちだった。もうあんな光景は見たくない。子供が戦火の犠牲になるなんて間違っている。もうあんな子供を増やさない為に、キラの負担を減らす為に、フレイは戦っているのだから。
 その後も暫く子供達の相手をしていたフレイ。その顔には優しげな笑顔が浮かび、見ている中隊の兵士達もなんだか楽しそうだ。クリスピー大尉も副官である軍曹に笑顔で話し掛けている。

「真紅の戦乙女、か。大仰な名前だからどんな奴かと思ってたが、こうしてみると普通の女の子じゃないか」
「そうですね。あんな子供があのMSに乗ってるんですなあ」
「ニュースでは彼女は父の敵を取る為に軍に入ったそうだが、大変だろうな、これから」
「我々が不甲斐ないから、彼女にも苦労をかけてしまうのですな」

 軍曹は辛そうに顔を顰めた。自分達大人が不甲斐ないから、あのような子供までが前線に出てきてしまう。それは職業軍人である自分には耐え難い現実なのだ。自分の部下にも20前の志願兵がかなりいるが、その多くが初陣で戦死してしまう。コーディネイターの歩兵はその身体能力から絶対的に有利なので、どうしてもナチュラルは不利なのだ。自分のような訓練を積んだベテランなら戦いようもあるのだが、訓練の足りない新兵ではまともに戦うことも出来ない。
 彼女は初陣を機体性能に頼ってなんとか飾れたそうだが、かなり運が良かったのだろう。訓練の足りない、あんな子供がザフトのMSに勝てるとは思えなかったから。
 だが、軍曹はすぐにその想像を覆される現実に直面する事になった。見張りに立っていた歩哨が大声で悲鳴のような報告をしてきたのだ。

「て、敵だっ。ジン4機、戦車、装甲車の数は不明!」
「ちっ、もう来たのか!」

 大尉は吐き捨てるように言うと、軍曹に戦闘配置に付くよう命令を下した。そして、フレイも子供達にビルの中に戻るように言って自らもデュエルに乗りこんだ。機体を起動し、立ち上がらせる。

「早く来て、アークエンジェル。私だけじゃ持たないかもしれない」

 自分の背中にはあの子供達が、難民達が、中隊の兵士達がいるのだ。敵のMSを1機でも通せば彼らに助かる術は無い。最低でもMSだけは近付けてはいけないのだ。
 だが、その認識がフレイの体を縛ってしまう。彼等を守れるのは自分しかいないという認識が、押しかかる重圧がフレイの臆病な心を容易く打ちのめしてしまう。だが、それでもやるしかないのだ。今、この人達を守れるのは自分しかいないのだから。
 必死に自分に言い聞かせていたフレイだが、ふとあることに気付き、苦笑してしまった。今の自分は、アークエンジェルがヘリオポリスを出たばかりの頃のキラに似ている。あの時のキラも自分しかいないという気負いで戦場に立った。

「そうよね、キラでも耐えれたんだから、私にだって耐えられるわよ」

 いささかキラには酷い言いような気もするが、フレイはキラをだしにしてどうにか自分を奮い立たせた。機体を低いビルの影に潜ませ、窓から見える視界にジンが通りかかるのをじっと待つ。まず1機を仕留めなくては。
 永遠とも思える僅かな時間。ヘルメットのバイザーに汗が水滴となって付いている。緊張が胃を締め上げ、キリキリと痛ませる。そして、遂に1機のジンが視界に入った。

「もらったっ!」

 正確に照準を付けられて放たれるビームの光芒が正確にジンを貫き、これを爆散させてしまう。これで残るジンが敵の存在に気付いた。慌てて近くの物陰に身を潜めるが、音響パターンの解析によりどの辺りにいるかは大体の見当がつけられる。なにより、向こうはこちらを見つけていないのが強みだ。
 だが、フレイにはこの優位を生かすだけの時間は与えられていなかった。戦車隊がビルの方に向っているから、これも防がなくてはいけないのだ。フレイは危険を承知で武器をバズーカに持ちかえると、ビルから飛び出して大通りを行く戦車隊の先頭集団に向けて発射した。放物線を描いて放たれた砲弾は戦車隊の列に突っ込み、3両の戦車を完全に破壊してしまった。だが、これで完全に位置がばれてしまう。
 生き残っている3機のジンがこちらを向き、戦車隊が砲をこちらに向ける。フレイは急いでその場を離れようとしたが、それよりも速く砲撃が開始された。集中される弾量に機体が激しく打ち据えられ、中にいるフレイも衝撃にシェイカーのように振られる。

「こ、こんな所でぇ!!」

 フレイは機体を跳躍させると、近くのビルの屋上に飛び移った。直にバズーカを残りの戦車に向け、砲撃する。動きの鈍い戦車は上から狙えば容易く破壊出来るが、この位置は敵MSに良いように狙われる場所でもあった。たちまち76mm弾が殺到し、足場のビルが崩されてしまう。だが、デュエルはそれよりも早く移動していた。

 思いの他動きの良い連合MSに、ザフト部隊を率いていたグリアノス隊長は感心したように呟いた。

「良い動きだ。度胸もある。ナチュラルにしておくのは惜しいな、あのパイロット」

 まさか、乗っているのがMSに乗ってまだ間も無い15才の小娘だとは夢にも思ってはいない。グリアノスは部下達にあのデュエルを追い詰めるように指示を出すと、自らデュエルに向ってジンを突撃させた。
 フレイは真っ直ぐ向ってくるジンを狙ってバズーカを放ったが、紙一重でそれを躱された事に驚いた。

「躱された、そんな!?」

 驚いている暇は無い。ジンは重斬刀を抜くと斬りかかってきたのだ。慌てて回避しようとしたが、避け切れずにバズーカの砲身を斬られてしまう。フレイは仕方なくバズーカを放り出すとビームサーベルを抜いた。
 だが、すでに正面にそのジンはいない。フレイはどこにいったのかと視線を巡らせたが、ふと感じた殺気に慌ててシールドを上に向けた。直にシールドに物凄い衝撃が加えられる。飛んでいたジンが自重をかけて重斬刀で斬りつけてきたのだ。デュエルは踏ん張り切れず、後ろに向けて押し倒されてしまった。
 デュエルはすぐに起きあがったが、もうジンの姿は無い。フレイはとにかくデュエルを走らせた。このままではまた奇襲を食らってしまう。すると、直後に自分が居た所を76mm弾が穴だらけにしてしまった。

「このジン、強い」

 フレイは自分が戦っている相手が物凄い実力を持つパイロットだとようやく悟った。これまで戦ったいかなる相手よりも強い。恐らくは、カスタフ作戦で戦ったあのデュエルよりも。
 一方のグリアノスも、このデュエルの想像以上の反応の良さに賞賛混じりの驚きを感じていた。

「やるではないか、ナチュラルとは思えない反応の速さだ」

 ビルの屋上で構えていた重突撃機銃を下ろすと、一気にデュエルめがけて跳躍した。デュエルのカメラがこちらを捕らえるよりも早く再び重突撃機銃が火を吹く。撃ち降ろされる砲弾がデュエルの上半身を幾度も打ち据え、兆弾が周囲を抉る。

「フェイズシフト装甲、何時まで持つかな!?」

 フレイは焦っていた。こんなに直撃弾を受けてしまってはフェイズシフトが持たない。バッテリーの消耗速度は恐ろしい速さだ。加えて周囲を戦車やMSが包囲しようとしている。このままでは間違い無く殺されるという確信がフレイを襲った。

 


 この戦闘を見ていたクリスピー大尉は双眼鏡を下ろすと、軍曹を見た。

「軍曹、どうやらアルスター准尉だけでは持ち堪えられそうも無いな」
「はい、我々も戦闘に参加しましょう」
「俺もそう思う。軍曹、君は歩兵を纏めて民間人を最後まで守れ。装甲車を残す。俺が戦車隊を率いて敵と当たる」
「そ、そんな、大尉!?」

 軍曹は驚愕した。たった3両の戦車だけで援護に行くというのか、この人は。だが、歩兵が出ていっても何の役にも立たないのは確かだ。まして民間人を放り出す事も出来ない。軍曹は諦めの溜息をつくと、クリスピー大尉に敬礼した。

 出撃するクリスピーの戦車隊。軍曹は部下達を纏めると周囲への警戒を強めるように指示を出した。敵の歩兵が浸透している可能性もあり、もし白兵戦になったらこちらに勝ち目は無いのだから。

 フレイは自分を包囲する敵部隊が鬱陶しくてしょうがなかった。目の前のジンだけでも強敵なのに、周囲から砲撃までされては堪らない。頭部イーゲルシュテルンが姿を晒した戦車に叩き込まれる。無数の直撃弾で一瞬で破壊される戦車。
 再びビームライフルを握ると、フレイはデュエルを大きく跳躍させようとして、右側から感じた悪寒に慌てて機体を前に出した。すぐに火線が背後を貫いていく。感じる気配からさっきの強いジンに間違いない。

「なんだってのよ、このジンは!?」

 フレイは撃ってきたジンにビームを撃ち返したが、それは容易く回避されてしまった。だが、フレイが距離を取るだけの隙は作れた。改めて大きく飛び、高い所に陣取って下を見下ろす。そこからだと動き回るジンや戦車が見て取れる。

「とりあえず、ジンよね」

 ビームライフルを向け、続けて連射を叩き込む。狙われたジンは慌てふためいて回避しようとしたが、続けて撃ちこまれたビームを回避し切るなど余程の実力がなくては不可能だ。そのジンのパイロットにはそこまでの腕は無かったようで、たちまち直撃を受けて爆発してしまう。 
 残り2機と思った所で、いきなり離れた所にいた戦車が爆発した。何かと思えば、連合軍の戦車が3両こちらに向ってきているのが見える。

「クリスピー大尉、なんで!?」

 フレイは驚いた。こっちは自分に任せて、戦車隊は難民の最後の盾として使って欲しかったのに、なんで出て来たのだろう。フレイの脳裏に自分の到着を喜んでくれたクリスピーや兵士達、震える難民達と、元気そうな子供達が過る。
 このままでは彼らも死んでしまう。目の前で殺されてしまう。その恐怖が襲った直後、目の前で戦車が一両直撃を受けて爆煙に包まれた。

「大尉、クリスピー大尉っ!」
「おお、フレイ・アルスター准尉か」

 どうやら彼はまだ無事らしかった。だが、安心してる暇は無い。

「すぐに後退してください。戦車じゃ無理です!」
「子供だけに任せておけるか。俺とてプロの軍人だ。志願兵が命を張ってるのをただ黙って見てろと言うのか!?」

 これが軍人の誇りなのだろうか。民間人を守りながら必死にここまで来て、子供だけを戦わせられないと身体を張る。だが、勝算の無い戦いでは命を無駄に散らすだけになる。それが分からないほどクリスピーが愚かだとは思えない。
 フレイはブカレストの街で出会ったウォロシーロフ少佐を思い出した。自分たちと避難民を逃がし、自らは盾となって散っていった戦車隊長。あの人のように彼も私を守って死んでしまうのだろうか。
 嫌だ、そんなのは嫌だ。もう、あんな守られ方はしたくない。

「冗談じゃないわ。あの人達を死なせたりしないんだからっ!!」

 そうだ、今の自分は守られるだけの弱い存在じゃない。戦う力がある。戦う理由もある。私はあの子供達に私が戦うと、守ると約束したのだ。フレイは初めて、自分の中に生まれたあの不思議な力を求めた。周囲を立体的に知覚し、周りの全てが把握出来るようなあの感覚を。
 そして、これまで望まれなかった力は、心から否定されていた感覚は、主に望まれた事で初めてその力をはっきりとフレイに示した。周囲に広がる感覚の手。それぞれの人の存在が、戦う人々の殺意と憎悪が、怒りと願いが流れ込んでくる。あらゆる動きが知覚出来る。頭の中に何か、別のチャンネルがあるような感覚だ。目に見える物だけが全てではない。言葉では説明できないが、ハッキリとではないが、その全てがフレイには知覚できた。
 フレイは一瞬幻視で来たビルの向こうの戦車めがけてビームライフルを放った。光りがビルを貫き、その向こうの戦車を直撃して破壊してしまう。
 この攻撃にグリアノスは驚愕した。まさか、完全に死角だった筈なのに。

「なんだと、どうやってあそこから狙えた!?」

 グリアノスは物陰から飛び出すと右手で重突撃機銃を撃ちまくりながら左手に重斬刀を持った。フレイのデュエルがシールドで銃弾を弾く。もう、これ以上弾を受ける訳にはいかないのだ。距離を詰めたジンが重斬刀を振るってくるが、フレイは機体をビルから飛び降りさせてそれを回避した。落ちながらビームライフルを2度撃つが、グリアノスのジンはこれを躱した。
 道路に降りたフレイはバッテリー残量を確かめると、これ以上のビームライフルの使用を断念した。これ以上撃てばバッテリー切れを起す。素早く辺りを見渡し、ジンの残骸を見つけると急いでそれに駆け寄った。残骸から重突撃機銃と重斬刀を拾い上げ、両手に持たせる。

「とりあえず、これを使うわ」

 重突撃機銃を持ち、通りを駆けて行く。とにかく敵の戦車を減らさなくてはいけない。フレイは見つけた戦車に向けて重突撃機銃を撃ち、手当たり次第に破壊して回った。フレイのデュエルの動きを戦車はまともに捉えることさえ出来ないでいる。
 5両目を破壊した所でフレイは迫りくる敵に気付いた。素早くそちらに向けて重突撃機銃を放つ。赤い曳航弾がそちらに向うが、そこにジンはいない。なんとそのジンはビルの壁を蹴って空中を飛びながらこちらに向ってきたのだ。

「こいつ、さっきからの奴!」
「おのれえぇぇぇえい!!」

 グリアノスは重突撃機銃を捨てると、重斬刀を両手で構えて全力で叩きつけてきた。フレイも重突撃機銃を捨てると左手の重斬刀を右手に持ち替え、ジンの一撃を自分の重斬刀で受け止める。

「やるな、ナチュラル!」
「何よ、こいつ!」
「なに、子供だとっ!?」

 接触回線で飛びこんできた声にグリアノスが驚く。その一瞬の隙をついてデュエルは力任せにジンを押し返した。押し返されたジンも空中で態勢を立て直して着地する。グリアノスは相手の周波数を探ると、通信回線を開いた。

「貴様、子供だと言うのか!?」
「通信ですって、どういうつもりよ!?」
「やはり、子供なのか・・・・・・」

 グリアノスは途端に不愉快になった。まさか、自分をここまで苦戦させたMSのパイロットがまさかナチュラルの小娘だったとは。これでは自分の価値が大きく下がってしまうではないか。
 なんだか戦意が失われてしまった所に、それを後押しするような報告がグリアノスの元に飛びこんできた。

「グリアノス隊長、新たな敵部隊が接近しています。例の足付きの様で、戦艦1、MS1、戦闘機2です!」
「足付き・・・・・・デュエル・・・・・・・小娘・・・・・・そうか、こいつが噂の真紅の戦乙女か」

 グリアノスは噂が本当だった事を自ら確かめた事になる。ナチュラルでありながらヨーロッパで味方のMSを何機も屠ったデュエルパイロット。その実力はクルーゼ隊の赤服とさえ渡りあったという。そして、幾ら機体性能差がるとはいえ、自分とここまで戦うのだ。特に反応の良さと勘の良さ、射撃の腕前はナチュラルとは思えないものがある。

「・・・・・・・このデュエルは私が相手をしよう。お前たちはナチュラルの残党を始末しろ!」

 グリアノスの指示を受けて残るジンと戦車がクリスピー達の方へと向う。フレイはそれを阻止しようとしたが、それを阻む様にグリアノスのジンが立ちはだかってくる。

「行かせはせんぞっ」
「この、どきなさいよ。このままじゃ大尉が、あの子達がっ!」

 フレイは焦ってジンを振り切ろうとするが、互いに飛び道具を持たないので接近戦をやるしかない。互いに重斬刀を構えての斬りあいになってしまったのだが、この勝負は容易に決着が付きそうも無かった。
 すでにビルにはザフトの歩兵が迫っており、守備についている歩兵部隊が持てる火器を下に向けて打ち下ろしている。高所に居るという立地上の優位が辛うじて守備隊を支えているのだろう。だが、それに業を煮やしたのか、ザフトの戦車が砲を軍曹達の守るビルへと向けた。
 この瞬間、言い様の無い悪寒がフレイを襲った。殺されてしまう、あの子たちが。それがハッキリと分かってしまった。慌ててモニターを操作し、ビルを撃とうとしている戦車を見つける。

「駄目、止めてぇ!」

 フレイはジンを無視してデュエルをそちらに向けたが、それはグリアノスに背を向けることを意味している。グリアノスは口元を歪めると嘲笑混じりにデュエルの背中に重斬刀を叩きつけた。動き出した勢いもあってそのまま道路に叩きつけられてしまうデュエル。

「愚かな、戦いの中で戦いを忘れたか!」

 嘲笑うグリアノス。だが、フレイにはそんな声は届いていない。今のフレイの頭には、主砲を撃とうとしている戦車しかなかった。

「やだ・・・・・・止めて。駄目、やだっ!」

 だだっ子のようなことを言いながらフレイはその戦車に手を伸ばす。そんなもので戦車を止められる訳が無いのだが、今のフレイにはそんな理屈は無い。
 そして、フレイの目の前で戦車の主砲が火を吹いた。

「やめてぇぇええっ!!」

 放たれた砲弾。それは真っ直ぐにビルの方へ飛んで行く。そして、ビルの直前で何かに着弾して爆発を起した。フレイは涙を流しながらその光景を見ている。一体、何が起きたのだろうか。
 そして、煙が張れた後には、1機の白と青に塗り分けられたMSがシールドを構えて立っていた。間違い無い、キラのストライクである。

「キ・・・・・・・キラ?」

 信じられない思いでキラのストライクを見る。何故彼がここに居るのだろうか。アークエンジェルが来てくれたのだろうか。フレイの疑問に答える様に上空に2機のスカイグラスパーが現れ、地上を掃射していく。間違い無い、アークエンジェルが来てくれたのだ。
 喜ぶフレイとは対照的に、グリアノスは苦渋に満ちた顔をしていた。

「まさか、こうまで早く来るとはな。やむをえん、全軍撤退だっ!」

 グリアノスは素早く決断した。これ以上戦っても勝ち目はありはしない。噂が本当なら、あのストライクというMSは化け物じみた強さであり、2機の重戦闘機も名高い「エンディミオンの鷹」と「エメラルドの死神」が乗っているという。もしあのストライクはこのデュエル以上の強さだとしたら、手持ちの戦力では勝負にもならないのは確実なのだ。
 グリアノスの命令で整然と撤退していくザフト軍。ビルに迫っていた歩兵達も急いで隠れていた装甲車に戻り、戦車隊を追いかけていく。ビルに立て篭もっていた軍曹達はアサルトライフルや軽機関銃を下げ、呆然とした顔で撤退していく敵を見送っている。そして、その頭上に巨大な戦艦が現れた。

 


 フレイは傷だらけのデュエルを学校の校庭に着地させたアークエンジェルへと持ってきた。すでに難民の受け入れは始まっているらしく、多くの人が集まっている。中隊の兵士達の生存者の内、重傷者は担架に乗せられて運ばれている。軍医が声を嗄らして叫んでいるのが聞えるが、自分には何も手伝えない。仮に手伝うと言っても、みんなが止めるだろう。戦いが終わって帰って来たパイロットにこういう仕事を手伝わせる奴はいない。
 グッタリと疲れた体をデュエルに預けて休んでいると、大尉が生き残りの兵士達とともにやって来た。腕を吊っている者、松葉杖をついている者もいる。何事かと思ったが、とりあえずフレイはよろよろと体を起した。

「どうしたんですか、クリスピー大尉?」
「なに、野暮用だよ」

 クリスピー大尉は笑いをたたえて答えると、表情を引き締め、姿勢を正した。ちらりと軍曹を見やる。軍曹は頷くと、物凄い大声量で号令を発した。

「総員整列、気を付けぇ!!」

 正規の軍人らしい、見事に統制のとれた動きを見せる中隊の兵士達。整然と並んだ兵士達に、フレイは目を丸くし、周囲の人々は何事かとこちらを向いている。
 そんな視線など気にもかけず、大尉は軍曹の後を引き継いだ。

「フレイ・アルスター准尉に、敬礼!」

 一斉に捧げられる、挙手の敬礼。それは、大尉達がフレイに対して向ける、最大級の敬意の現れであった。その命を掛け、全力で戦ってくれたフレイに、大尉達は戦友として感謝しているのだ。
 そして、フレイは生まれて初めて自分が人から本当に感謝されている事を自覚した。自分を見る大尉が、軍曹が、兵士達が、集まってきた難民の人達が自分を見ている。彼らがみんな自分に笑顔を向けているのだ。難民の人達には頭を下げて「ありがとう」と礼を言っていく者もいる。
 そして、あの子供達が駆け寄ってきた。

「お姉ちゃん、ありがとう!」
「凄いよなあ。本当に強かったんだ」

 子供達の明るい声に、フレイは嬉しくなって自慢げに頷いた。

「そうよ、言ったでしょう。守ってあげるって」

 はしゃぐ子供達に囲まれながら、フレイは自分が戦う理由を見つけられたような気がしていた。復讐なんかじゃない。このような子供達を、この笑顔を守るために戦うのだ。確かに敵の兵士達にも守りたい者がいるだろう。だけど、その為に自分の守りたい人達を見殺しにするのは本末転倒だ。
 人間一人で守れる範囲など、たかが知れている。ならば、手の届く範囲だけでも、知っている人達だけでも守ろう。そのために戦おう。キースやフラガでさえ手の届く範囲しか守れないと嘆いてるのだ。自分如きが遠くの誰かの事で悩むなど、増長でしかなかったのだろう。

 フレイは、ようやく自分の殻をまた1つ破る事が出来た。なにを気負っていたのだろう。どれだけ強くなっても、不思議な力があっても、個人の力などたかが知れているのだ。1人で何かを守るなどできはしない。今回もキラやアークエンジェルが間に合ってくれたからみんな助かったのだ。


 難民に囲まれ、中隊の兵士達に揉みくちゃにされているフレイを見て、サイは不思議そうに呟いた。

「何があったのかな、フレイに?」
「私が知る訳無いだろう」

 すぐ横にいたカガリが不機嫌そうに答える。ただ、カガリにはフレイの回りにいる人達の顔に覚えがあった。あれは、何かをして貰えて喜んでいる表情だ。多分フレイはあの人達を必死に守っていたのだろう。

「・・・・・・頑張ったってことじゃないかな、あいつも」
「何を?」
「あいつ等を守るために戦ったって事」

 カガリの答えに、サイは改めてフレイを見る。あんなに嬉しそうに、誇らしげ、楽しそうに笑うフレイを見るのは初めてだ。フレイは何時の間にか自分のやりたい事を、戦う自分なりの理由を見つけられたのだろうか。

「みんな、変わっていくのかな」
「変わらない奴なんかいないだろ。私だってお前だって変わるさ」
「・・・・・・そうなのかな」
「そうだよ。それとも、お前は何も変わらないほうが良いのか?」

 カガリの問いに、サイは答えなかった。明確な答えの出るような質問では無かったし、仮にあったとしてもそれを口にすることは憚られた。ただ、1つだけ言えることは、フレイは変わったという事だけだ。そして自分はまだ変われていない。
 ただ、フレイとサイを比較するのはサイに不公平であっただろう。フレイは自分から変われた訳ではなく、あくまで周囲の状況に流されたという事と、キースやマリュ−、ナタルがフレイに干渉してきたせいだ。この3人を前にすればフレイは自分が1番格下だという事を嫌でも自覚させられてしまう。フレイの変化は自分が格下であるという事をまず自覚する事から全てが始まっていたのだ。
 だが、サイも今のフレイを見る事で、ようやく今からの脱却を考えるようになった。これまでではなく、今の自分に決着を付ける事を決めるきっかけを得たのだ。そして、サイが出した答えが艦内に新たな波紋を呼ぶ事になる。

 


キャラ紹介
グリアノス  33歳
 ザフトの一部隊を預かる隊長の1人。フレイのデュエルとジンで対等に渡り合う技量を持つ。その実力は赤服パイロットを軽く凌いでいるだろう。ロシア南西部を攻撃する部隊の1つを率いており、ユーラシアの部隊を追い詰めたところでフレイと激突した。
 武人型の性格をしており、強敵と戦うのを楽しむ傾向がある。軍人堅気も持っており、作戦に私情は挟まない人物でもある。

 

ギリアン・クリスピー 大尉 41歳
 ユーラシア連邦の大尉。ユーラシアには珍しい黒人の仕官で、戦車部隊を率いていた。しかし、グリアノスに敗退してこんな所にまで追い詰められ、最後の望みを近くの友軍部隊に繋いだところ、アークエンジェル隊が来てくれたのだ。
 軍人としてはかなり優秀であり、アークエンジェル幹部クルーに仲間入りする。年長者という事もあってキサカとも友人となる。後にキースも加わってしまい、おじさん軍団を形成する。
 フレイに助けられた事に恩義を感じ、いつかこの恩を返そうと誓う義理堅い男である。



後書き
ジム改 フレイ、NTへ完全覚醒しました
カガリ ・・・・・・またサイとか
ジム改 今回はフレイの強さをはっきりと表に出してみました
カガリ でもいいのか。フレイをここまで強くする必要があるのか?
ジム改 今後の予定を考えると、これくらいは無いと困るの
カガリ また何か良からぬ事を考えてるんだな
ジム改 まあねえ。その頃にはお前さんの重要度も増してるはずだ
カガリ ・・・・・・・・・・・・(疑惑の眼差し)
ジム改 俺が信じられんのかぁ!?
カガリ これまでの素行が悪すぎてなあ
ジム改 シクシク・・・・・・お前、最近栞に似てきつくなったぞ
カガリ ・・・・・・何となく、あいつの気持ちが分かってきたよ
ジム改 ほう、例えば?
カガリ ・・・・・・干されるって、寂しいよなあ
ジム改 実感篭ってるねえ
カガリ シクシクシクシクシク
ジム改 ああ、鬱陶しい。では次回、久々にアスラン登場。ザラ隊のボケ振りが出ますw
カガリ 私もボケでいいから出たいなあ
ジム改 心配するな、お前は弟に似てボケ属性だからw
カガリ なんか嫌だああああ!!


 

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