"N-1"。それは第二次大戦末期からアメリカ海軍の艦上防寒着として使われていた、いわゆるデッキジャケット。厚手のアウターにアルパカ(南米のラクダ科の動物)の毛を織ったインナーの付いたジャケットは、さらに袖口内側にニットリブを装備し、襟には立てて固定できるようにストラップが付いている。

 そう、これってバイク乗りにホントピッタリ!なのに何で誰も着てないんだろ?首と腰がキンキン冷えるMA-1着てるヤツがあんなにいるのに…ということで、178センチ68キロによるN-1普及のためのインプレッションです



THE REAL McCOY'S
MASH
 
 


(ホントに2着持ってるよ!)

 御存知、マッコイズのN-1。これは一番安いカーキのプレーンタイプで、3年くらい前の型。どうしても欲しくて四国のアメカジショップにまで電話したけど、タッチの差で売り切れてた
 そしたら、翌週ヤフオクでかなり安く即決で出ていたから人生って素敵だ(笑)。着心地は意外に軽く、アルパカもソフトな肌触り。フィット感は袖の長さに比べて胴回りが若干タイトな今風のスタイル
 ”リアリズム”に徹したマッシュのN-1。とにかく重い。うかつなハンガーにかけておくと翌朝にはハンガーのフックが折れる(と思う)。毛足の長いアルパカを使っていて、首のあたりがちょっとチクチクするのもご愛敬
 左のマッコイと同じサイズ”40”だけど、メチャクチャでかい。でも、質感はマッコイ以上なんで、ヤフオクで安く出てたときに2着目を買ってしまった…
BUZZ RICKSONS C.A.B CLOTHING C.C. MASTERS (PHERROWS)
 知名度ではマッコイに次ぐバズのN-1だけど、モノの出来は右で紹介してるキャブとたいして変わらないような…
 アルパカ混のインナーやタグは毎年マイナーチェンジをしてて、これは2001年ごろの短くて茶色のインナーのタイプ。サイズは”XL”だけどマッコイの40と同じくらいかな(インナーが薄い分、胴回りは余裕があるけど)
 値段はバズの半分で、見た目はほとんどかわらないキャブのN-1。おまけにインナーは化繊だけど見た目はマッコイそっくりで、ご丁寧にタグのコントラクトナンバーまで似せてある(マッコイ=1489、キャブ=1488)
 なので、たまに「本物!?」とか「アルパカ!?」とかごまかしてヤフオクに出品してるヤツがいるのでご注意を…

 値段的にはマッコイとバズの間に位置するフェローズのN-1。ネイビーカラーはやはりその両者と同様に袖口内側のアルパカ(混)やバックに「U.S NAVY」のプリントがあるが、なぜか「SRU3」という文字が追加されてる。サービスなのか差別化なのか…?
 着心地は軽くソフトな感じ。同じアルパカ混のバズのに比べてもやや高級感がある

AVIREX HOUSTON ?

 最近はヘンチクリンなストーンウォッシュのN-1を出してお茶を濁してるアビレックスのちょっと前のN-1。起毛っぽい表生地で色も明るめのカーキなので、あまりミリタリーっぽくない。サイズはMだけどけっこう大きめで、キャブのLと同じくらいのフィット感だと思う
 聞くところによると、このN-1にはロングタイプが存在するらしい

 永遠のB級ミリタリーブランド、ヒューストン。だけどN-1の出来は実にすばらしい。サイズ42は一見大きそうだけど、丈はとても短く、ベルトラインがかろうじて隠れる程度。特に他のメーカーにはないUSEDルックのこのモデルはイチオシ!
 ただ、同じヒューストンでも背中にアニメキャラの絵や胸にワッペンの付いたモデルは別物。やめた方がいい

 今から20年ほど前に近所の「アメリカ衣料」の店で買ったのがこのノーブランドのN-1。当時はフライトジャケット全盛で、猫も杓子も”MA-1”だった。なので、このN-1を着てると「土方みたい」とか言われた
 袖リブ、ジップ&ボタンのフロント、立てても留められるファー付きの襟、というN-1の定義を確立させた思い出の1着
ALPHA ALPHA DOG HOUSE
 MA-1ブームをリードしたアルファが作ったこのN-1はすごく変だ。2000年頃のモデルだけど、まず表生地が「ピケ(って紹介されてた)素材」で、なんか半纏みたいだ
 胴回りはワケわからないほど太く、首もとも大きく開いている。きっと、ものすごく太ったヤツがデザインしたんだと思う
 左のN-1で反省したのか、昨年リリースされたこのN-1は極めてまっとうなLサイズである。生地も上の方で紹介したアビレックスに近い感じで、ファーはヒューストンに似た素材
 ただ、あまりに普通すぎてイマイチ魅力のないN-1になっちゃったなぁ…というのが正直な感想
 「世界中のN-1を集めてやる!」ぐらいに思っていた時期があった。その頃、自分のN-1の定義(上の「?」のところを参照)にあてはまれば片っ端から(金があったら)買ったうちの1着がコレ。だけど、届いてみたら袖にリブが無ぇーでやんの
 これ以来、通販で買うのは慎重になった
GOLDEN FLEECE SPIEWAK VERTIGO DESIGNS
 「ゴールデン・フリース」ブランドでリリースされてはいるけど、実際は右のスピワックの物と同じだと思う(姉妹ブランド?)。いつも思うけど、スピワックのサイズ表示はやたらアバウトだ。42でピチピチだったり、Mでもデカかったり…
 とりあえず、「インチ表示は小さめ、ML表示は大きめ」だと思うことにしている。ということで、想像のとおりコイツは結構タイトである
 おそらく左のN-1を着倒すとこうなると思われるのがコレ。ヤフオク始めて間もない頃に買ったんだけど…この出品者がこれまででサイテーのヤツだった。住所・電話番号など一切知らせず、「クレーム・キヤンセルはご遠慮ください」というメッセージだけは太字でかかれたメールをくれやがった。でも、報復評価が怖い頃だったので「非常に良い」にしてしまったのは人生の汚点だ…
 なんかカナダのブランドらしい。例によって写真で見て通販で買ったのだが、袖のところにリブが付いていなかった…。けど、値段(バズの半額以下)の割には裏地のファーがちゃんと袖まで入っててけっこう暖かい。ただ送られてきたときにえらい小さい袋にパッケージされていたためにシワクチャになっていたんだけど、このシワが今でも取れねぇーんだよ!
SPIEWAK
PHANTOM ( ? )

 スピワックの”L”は果てしなくデカイ。おそらくこのN-1なら曙は無理でもバター・ビーン(知らないか…)ぐらいなら着られるんじゃないかな?
 で、これは「タイタンクロス」という燃えにくく丈夫な素材の表生地を使っている。でも内側のボアは一瞬で燃えそうな化繊なのは何故?

 左と同じモノの”M”サイズ…だと思ったら、左のは襟のボアが取り外せるのに、こっちのは取れないタイプだった。いったいどれだけのバリエーションがあるんだスピワック?
 サイズ的にはこれでもやや大きい(特に胴回り)くらい。アルファからデブのデザイナーが移籍してきたのか?
 名古屋の大須で見つけた(ってほどのモノじゃないが…)このN-1には”ファントム”というタグが付いているけど、あの「東京ファントム」とはまったく関係ないと思われる
 インナーはキルティングで、袖のリブは左右で違うタイプのものが付いているというパンチの効いた一品。上の画像のボタンは買ったときから…
BLUE BLUE (H.R.M) BLUE BLUE (H.R.M) LUCK OUT

 

 

 最後に紹介するのは、ラックアウトとかいうC級ブランドのもの。裏地が取り外せるようになってたり、背中にデカいポケットが付いてたりしてて一見便利なんだが、いざ着てみると恐ろしくカッコ悪い。墨のような黒と安っぽい白の裏地、ジャージ素材の襟など、正直40目前の男が着られるシロモノではない
 「じゃ、何で買ったの?」と思われるだろうが、実はこれもヤフオクで…商品説明の写真が暗ぼったくて…何となくカッコよく見えて…安かったし…ということで、これ以来「出品者への質問」を多用するようになったんだ。ハァー

 毎シーズン、発売即完売(絶対ウソだと思うが…)のハリウッドランチマーケットのデッキジャケット。これは福岡へ行ったとき、博多のBLUEで買った
 色はこれって決めてたが、サイズ4(LL)のが店頭になかったんで、ベージュのサイズ4を試着した上で「このサイズのブルーをください」と言って買って帰ってきた。で、家であけたら「サイズ3」でやんの…
 ま、サイズ3でも着れないことはないんで、ヤフオクで安く出てたネイビーの古いタイプのも買ってしまった。これは袖のリブが指までカバーできるように長くなってて、手袋がわりにもなるように親指用の穴が開いている
 左のと同様に「ジャーマンクロス」とかいう素材の表生地らしいけど、こっちの方が重厚な感じがする

 


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