4.貨車

4.貨車


 貨車の型式電車気動車客車と同じように「カタカナ記号+数字」の組合わせで構成されています。 カタカナ記号で表わしているものは、構造または用途を表わす記号と、荷重トン数を表わす記号で、これらを組合わせた構成になっています。

 1)「カタカナ記号」について

 最初にくるカタカナは、構造または用途を表わす記号になっていて、蓋(屋根)があるか、何に使われるか、などで分類されています。


 ◆有蓋(ゆうがい)貨車
    「ワ」:有蓋車
    「ス」:鉄側有蓋車
    「テ」:鉄製有蓋車
    「レ」:冷蔵車
    「ツ」:通風車
    「カ」:家畜車
    「ウ」:豚積車
    「ポ」:陶器車

 ◆無蓋(むがい)貨車
    「ト」:無蓋車
    「リ」:土運車
    「チ」:長物車
    「シ」:大物車
    「ク」:車運車

 ◆タンク貨車
    「タ」:タンク車(積載物に応じて「**専用」という表記も付く)
    「ミ」:水運車

↑「トラ91388」は、無蓋車で自重が17〜20トンある90000形式の貨車であることを示しており、1389番目に製造されている。(車輌側面に記載)


 ◆コンテナ貨車
    「コ」:コンテナ車

 ◆ホッパ貨車
    「ホ」:ホッパ車
    「セ」:石炭車

 ◆事業用貨車
    「ヨ」:車掌車
    「キ」:雪掻き車
    「ケ」:検重車
    「ヤ」:試験車、職用車
    「サ」:工作車
    「エ」:救援車
    「ソ」:操重車
    「ヒ」:控車



 そして、構造・用途を表わす記号の後に続くのが、荷重トン数を表わす記号で、軽いものから次のようなに表記されます。

   なし :13トン以下
   「ム」:14〜16トン
   「ラ」:17〜20トン
   「サ」:20〜24トン
   「キ」:24トン以上



 以上が、カタカナ記号についてです。それでは、「タキ**** セメント専用」という貨車があった場合、どのような貨車か分かるでしょうか?
 答えは、「セメント専用のタンク車で荷重が24トン以上」です。
 

 2)「数字」について

 数字は、決まった付け方はなく適当な空番が付けられます。
 

 3)「固有番号」について

 これまで説明してきた型式の後ろには、各車製造順に固有番号が付けられます。ただし、電車、客車などのように1番から始まるのではなく、0番から付けられる。つまり、123と表記されていた場合、124番目に製造されたということを表しています。
 そして、通常は型式の後ろにハイフン(−)を付けて各車輌の固有番号が付けられます。しかし、国鉄時に作られた貨車にはハイフンがなく、型式と固有番号が続けて表記されているため、見た目が複雑になっています。例えば、「コキ10145」と表記されている場合、「コキ10-145」ということを表しています。