五並地域の紹介

五並地域の史跡・名所

出典＝「五並コミュニティーマップ」より
東観音寺（とうかんのんじ）	記すまでもない豊橋屈指の古刹。天平4（732）年、行基は馬頭太郎という熊野神の化身が「東の五更」に小松原に現れるという霊告を得た。東＝十八日と判じた行基は、翌年正月十八日寅の刻（＝五更）、霊告どおり白馬に乗った化身に出会った。白馬は霊木となり、行基はそれで馬頭観音像を刻み本尊とし、東観音寺と名付けたと寺伝にいう。多くの武将の保護を受け、強大な勢力を誇った。現在より「18」町（約2km）南方にあったが宝永4（1707）年の大地震・大津波の被害を受け、正徳5（1715）年頃現地に移転した。鎌倉時代初期の秀作・木造阿弥陀如来坐像（国重要文化財）所蔵

東観音寺多宝塔（とうかんのんじたほうとう）	大永8(1528）年、戸田氏の臣・藤田左京亮定光の寄進により建立という。正徳6（1716）年に海岸部から移築し、明治13（1880）年現地に移った。多宝塔とは初層が方形、二層が円形の塔のこと。放射光のような軒下は扇たるきという様式で、初層・二層ともこの様式という多宝塔は全国でも稀。塔内に湛慶作と伝えられる多宝如来像を安置する。唐様（扇たるき・粽柱・藁座・逆蓮柱など）と和様（蓑束・蟇股・連子窓など）を折衷した建築美。国重要文化財。

医王寺（いおうじ）	天和二年（1682）年創建。薬師堂は明治初年廃堂。本尊地蔵菩薩立像、脇壇匏木（ほうぼく＝ひょうたん）製厨子に納められた古仏像ともに由来不詳。江戸後期には寺子屋として村民教育に当った。

細谷八柱神社とお社宮神さま（ほそややはしらじんじゃおしゃくじ）	創立不詳。海辺より転地。社宝の縣仏は、精巧な細線紋様が施された室町初期の作と思われる薬師如来坐像。海辺にあった軍神（いくさがみ）天神社跡地から発掘されたという鬼瓦には「文亀3（1503）年6月吉日落合左衛門尉家久」の銘がある。お社宮神（しゃくじ）さまは「石神」（しゃくじ［ん］）などともいい、関東・中部地方に分布する石をご神体とする信仰。昭和40年頃の土地改良事業により細谷町字南丸山からこの境内に遷宮した。近年、入学祈願の参拝者が増えている。にぎやかな祭礼は三月第2日曜日実施。

地原弁財天（幸福寺・宝聚庵）（ちはらべんざいてん　こうふくじ・ほうじゅあん）	戦国時代、潮見坂付近で戦死した今川義忠（今川義元の祖父）を弔うために建立された幸福寺は、宝永4（1707)年の大地震で海岸部の高台から当地へ移転。明治初年の廃仏毀釈により廃寺となった。弁天像はその幸福寺の寺宝。市内にある弁天講の有志が毎月参拝に訪れる。例祭は1月15日。

朝倉仁右衛門頌徳碑（あさくらにえもん）	数々の挫折と辛酸を努力で克服し、豊橋で最初の本格的機械製糸工場「細谷製糸工場」を創設した。その献身的な姿勢は多くの人を感化し、遺徳と業績を讃える碑が細谷小学校校庭に屹立する。

思い出の地碑	戦時中、細谷から出征した兵士は、この碑近くの土手の上から、見送りの人たちに別れを告げた。碑脇の砲弾は重量約70kg、旧海軍艦砲20cm砲弾を模したもの。世界平和を祈念して昭和63（1988）年建立。

国道23号豊橋東バイパス	名東道路の一部で、東は東細谷インターチェンジで国道1号潮見バイパスと、西は野依インターチェンジで国道23号豊橋バイパスと結ぶ延長9.18kmの道路。建設が進む橋脚は、豊橋の英文頭文字｢T｣のよう。区間内には、東から細谷・小松原・七根の各インターチェンジがある。特に細谷インターチェンジは当館北約600ｍに位置するので市民館へのアクセスが便利になった。

豊川用水東部幹線水路	天伯原は石ころの混じる痩せた酸性の赤土で、水はけがよく乾燥しやすい。そのため以前は麦やさつまいもといった乾燥に強い作物しか栽培できなかった。昭和43（1968）年の通水を機に、キャベツ・。タバコなど園芸・商品作物の一大農産地に変貌した。豊川用水路は田畑へ自然に流入水するように、地形の高低差を考慮し、地域の南寄りを東から西へ流れ、はるか渥美半島の先端・初立池へと続く。

進雄神社（すさのおじんじゃ）	創立不詳。宝永4（1707）年の大地震の翌年、海岸部「柄沢平」から現地に移転。享保12（1727）年社殿造営、天王宮から進雄社に改称した。平安末期作という神像が社宝。10月第2日曜日が例祭。

東漸寺（とうぜんじ）	応安5（1372）年行基開山。はじめ東福寺といい、火災焼失後、慶長12（1607）年東漸庵と改称。昭和17（1942）年現名に改めた。行者塔伝説が伝わる。