45シングルアンプ改造編(2005.4.24)
 一応の完成をみた45シングルアンプですが、いろいろと不満なところ出てきました。初段の76がノイズを拾うのが気になります。初段管に手を近づけるとノイズが変化します。また、デザイン上もST管が6本も小さなシャーシに乗っていると、主役の45が目立ちません。そこで、76の代わりにメタル管を用いればノイズ対策とデザイン向上の点で一石二鳥ではないかと考えました。

候補となる真空管

 特性が76に近いメタル管として、6C5と6J5を検討しました。シミュレーションをしてみた結果としては6J5が有利なようです。あまり正確な数値は予測できないことはわかりましたが、一応シミュレーションしてみると、NF=-5.8dBとした場合最大出力時の歪率は1.94%となりました。76を用いた場合より少し悪い数値ですが、ゲインが多くとれるので、NFを多くかけられ、ダンピングファクタの向上とノイズの低減が期待できます。
45の動作基点
動作点 Eg=-48.5V
Ep=250V
Ip=34mA
負荷 RL=3.5KΩ
6J5ドライブ段の動作基点
動作点 Eg=-8V
Ep=208V
Ip=4.1mA
負荷 RL=20KΩ
(交流負荷18.5KΩ)
6J5初段の動作基点
動作点 Eg=-4V
Ep=125V
Ip=3.6mA
負荷 RL=50KΩ
(交流負荷45.45KΩ)


改造後の回路図はこちら
 回路図まではできましたが、最近時間がなく、なかなか改造に取り掛かれません。しょうがないのでCGで完成予想図を作ったりしております。こんなことをする時間があれば早く作ればよいとも思うのですが、趣味の世界ですので寄り道をしながらのんびりと作りたいと思います。


完成予想図(CG)

出力管の45が目立つようにメタル管ドライブに変更


2007.5.2 やっと改造をおこなう。

 完成予想図と回路図を作成したらなんだか気が抜けてしばらくほったらかしになっていましたが、やっとドライブ段を入れ替える改造をおこないました。ドライブ管の6J5は76に比較してrpが低くμが高いため、無帰還時のゲインはch1で17.6倍(24.9dB)、ch2で19.2倍(25.7dB)と高くすることができました。仕上がりのゲインは9倍(19.1dB)としましたので、NF量は5.8dB(ch1)、6.6db(ch2)となりました。中古の45を使用したせいか、ch1は少しバイアスも浅くなっており、ゲイン、出力ともch2をやや下回っていますが、聴感上は特に差は感じません。3段増幅であるためか、10KHzの方形波応答にオーバーシュートが見られたので、位相補正用のコンデンサを追加しました。最終的な回路図はこのようになりました。

 


 ST管の76が並んでいたときよりも、小型のメタル管になって少しまわりが寂しい感じもしますが、主役の45がしっかりと存在感を主張するようにはなりました。いつ天寿を全うするのかわからない中古の45ですが、いたわりながら大事に使っていこうと思います。
測定結果

 残留ノイズは、0.3mV(ch1)、0.15mV(ch2)と、少なくすることができました。負帰還を少し増やしたのと、メタル管を用いたことが要因だと考えられます。ダンピングファクタは、20Hz、1KHz、20KHzともに3.00(ch1)、4.09(ch2)となりました。
周波数特性及び出力対歪率特性は以下の通りです。





設計編
製作編へ

測定編へ
245差し替え編へ
トップページに戻る