45シングルアンプ 測定編 (2005.3.21)
 配線が完了したので、さっそく測定をしてみました。若干の調整の結果、回路図は右の通りになりました。負帰還なしの状態での利得はch1が9.6倍(19.6dB)ch2が10倍(20dB)となりました。シミュレーションでは、2.01W出力の時に入力ピーク電圧が0.46Vでしたので、約12.3倍(21.8dB)の利得があるはずです。トランスの電力損失や真空管の劣化などを考えればこんなものかなあという数値です。ちなみに出力段の45のプレート電流は、ch1が31mA、ch2が34mAでした。

 若干の負帰還をかけ、最終的に利得が6.4倍になるよう調整をしました。この程度の利得があれば現在の私のシステムではなんとかなります。


 残留ノイズは両チャンネルとも、約06mVになりましたコンセントを挿す向きによってなぜかノイズの大きさに差が出ています。スピーカに耳を近づけると、少しハムが聞こえますが、音楽を聴くのには支障はないレベルです。

 周波数特性を測定したところ、50KHz付近にわずかながらピークが見られます。低域は内部抵抗の小さい三極管と余裕のあるトランスの組み合わせが効果をあげたようで、20Hzで-0.21dBと、同じシングルアンプである6AC5GTアンプに比べて大変よい数値になっています。

 歪率特性も測定してみました。NFの量も当初の予定(6dB)より少なくなったため、シミュレーションよりもずいぶん悪い数値になっております。これについては、このページで比較をおこないました。

 しかしながら、やはり6AC5GTシングルアンプの特性と比較するとさすが45の値段が高いわけだと自分を納得させるのに十分なデータではあります。


 測定も終了したのでリビングで試聴をしました。2W×2程度の出力でも不足を感じることもなく、気持ちの良い休日を過ごすことができました。このあたりは、物理特性とは別の次元の「自分で作ったからいい音がする」という種類のものかも知れません。メインシステムとしては使用せず、寝室のアンプとして6AC5GTアンプと入れ替える予定です。

ch2のデータ
ダンピングファクタ(ON-OFF法による)
周波数 ダンピングファクタ
20Hz 2.5
1KHz 2.5
10KHz 2.5
クロストークch1 to ch2
周波数 クロストーク
20Hz 測定限界以下
1KHz 測定限界以下
20KHz 測定限界以下
100KHz -65.2dB


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