真空管式カーオーディオ計画 製作編 (2006.8.6)

 設計と並行して、シャーシ関係の製作にもとりかかりました。左右の2mm厚のアルミ板に、純正のカーオーディオについていた取り付け金具を装着し、さらに2枚の間にアルミ板をかけわたして、アルミ板から支柱を伸ばし、前面の真鍮のパネルとベーク板を取り付けています。真鍮板にはまだカバーをつけています。まだ仮組みの段階ですが、早くもナットがベーク板にぶつかることを発見し、ベーク板を削りました。図面で検討をしてはいるのですが、実際に組み立てて気づくミスが結構あります。ベーク板の後ろの空間には出力トランスが取り付けられる予定です。

 まだベーク板には真空管用のソケットがネジ止めしてあるだけですが、今後ハトメを用いて部品をとりつける予定です。ベーク板を用いることで、部品が振動で移動することを極力少なくしたいと考えております。

 ヒータ電源には、DC-DCコンバータを利用してみようと思います。秋月電子通商さんのHPで出力電圧が5Vから24Vまで可変のDC-DCコンバータのキットを見つけ、購入しました。このアンプの場合、6.3Vで使用すると、ヒータ電流は片チャンネルで2.15Aであり、キットの最大電流が4Aとなっていますので、片チャンネルに1つづつ使用してみようと思います。(2005.7.3)
 
 シャーシの仮組みができたので、写真を追加しました。おおよその構成が見えると思います。左は前面パネルをはずした状態、真中は前面パネルをつけた状態です。前面パネルに小さな穴があるのは、バイアス調整用のボリウム調整用の穴と、テスタを差し込むための穴です。右はシャーシ全体を斜め上から見た写真です。出力トランスは東栄のOPT-10Pというタイプのものです。電源部分は別シャーシに組むのですが、、やっと電源トランスの仕様を決めたところで、まだまだこれからです。
(2005.7.30)


 今度は電源部の製作にかかりました。電源トランスは「45シングルアンプ」でもお世話になった「春日無線変圧器」さんの特注品です。1週間もかからず納品してくれました。価格も手ごろなのがありがたいです。電源部分は、シャーシ下だけでなく、シャーシの上にもスイッチング電源の基板が並びますので、アルミシャーシを2打段重ねにして、全体のシールド効果を狙います。トランスの上部が少しはみ出ているのは、デザイン的な遊びです。子どものころ遊んだミニカー(HotWheel)で、車のボンネットからエンジンが顔を出していたことから発想しました。そういえば、私の車のボンネットにも「パワーバルジ」と呼ばれるふくらみがついております。(2005.8.7)

電源部も完成(2005.10.2)
 電源部は、簡単だと思っていたのですが、定電圧回路をはじめ、結構てこずりました。製作上、試行錯誤したのは、本体と電源部を結ぶ配線をどのように分割し、つなぐのかという問題でした。結局B電源とC電源、アース、ヒータ回路はGT管のソケットを用いて8PINのソケットを用い、電源につなぎました。本体側では、カーステレオの接続に用いるプラスチック製のコネクタを使用しました。お店で耐圧を聞いたら125V程度だったので、B電源は規格オーバーですが、8つあるセルのうち、4つのみを使い、間をあけることで問題ないと思っています。ヒータについては、ホームセンターで買った2極のコネクタを用いています。また、配線取り出しのために、ケースの後ろに端子盤を設けました。少しおおげさですが、電圧のチェックに便利です。露出していては危険ですので、透明アクリル板のカバーをつけています
 また、排熱対策として、パソコン用のファン(DC12V用)をケースの下に取り付け、給気をおこないます。排気は前面に空いている真空管周りの穴から空気が出て行くことを期待しています。多少なりとも音の出るファンを付けるのは抵抗がありましたが、考えてみれば車内はファンの音などかき消されるほど騒音レベルが高いので、問題はないと判断しました。あとは車への組み付けを残すのみですが、これにはまとまった時間が必要なので、連休にでもじっくりと取り組む必要がありそうです。(2005.10.2)

ついに完成(2005.10.15)

 配線の取り回しに苦労しながらも、車への組み付けが完了しました。帰宅後の作業のため完成したのは夜でしたので、夜中のドライブを1時間ほど楽しみました。元の車のイルミネーションと、チューナー+デッキのイルミネーション、真空管の色がとても合っていてまずは満足です。心配したゲインについては、チューナーとカセットデッキの音量は十分でした。外部入力にCDプレイヤーを接続した場合には少し音が小さいですが、実用上はなんとかなる音量でした。
 熱の問題は、1時間ほど使用した時点でも以前よりは温度があがらず、パネルにさわれないということはありません。小さいながらもファンをつけた効果が出ているようです。ファンの音は運転中は全く聞こえません。エンジンを止めて耳を澄ますとわずかに聞こえる程度です。
 インバーターやDC-DCコンバータからのノイズは全く気になりません。電源ユニット全体がアルミケースでシールドされていることと、ローパスフィルタを設けた効果が出ていると思われます。
 課題は、バッテリーの電圧が下がって11V以下になるとインバーターが警告音を出す仕様になっているようで、夜間、エアコンをつけて信号待ちの状態で「ピー」という警告音がきこえてしまう場合があるという点です。警告音が出ないよう改造するか、バッテリーを性能の高いものに交換するか対策を考えないといけません。

警告音対策をおこなう(2006.7.23)

 夏になって、エアコンを使用する機会が増えてくるとバッテリー電圧低下にともない、インバータの警告音が頻繁に鳴るようになってきました。電圧を測定してみると、11V台でも鳴っているようです。少し安全側に設定されているのかもしれませんが、音楽を聴くのには困ります。既製品を改造するのはよくないと思ったのですが、やむを得ずケースを開けてブザーと思われる部品を取り外しました。出力電圧等には影響が無いようです。

インバータを電源部から取り外す

基板

取り外したブザー
暑さ対策でフロントパネルを変更(2006.8.6)

 夏も本番となり、本体の温度上昇が心配になってきました。真鍮製のフロントパネルでは、開口部が少なくて放熱が心配になってきたので、夏用にアルミパンチングメタルのフロントパネルを作成してみました。黒いパンチングメタルを用いたので、周囲に溶け込む色となり、これはこれでよいのではないかと思います。

取り外した真鍮パネル

フラッシュをたくとヒータの光が見えません。

夜の方がアラが見えなくてよいかも知れません
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